日本科学未来館・展示「100億人でサバイバル」(交差法で立体視ができます)
危険から命をまもるためには、危険の種に気がつくことがまず必要です。
日本科学未来館(注)のリニューアル展示には「100億人のサバイバル」もあります。わたしたちは、地震・火山噴火・大雨・津波などの自然災害、感染症、原発事故、テロリズムなど、社会の存続や多くの人々の命をおびやかす危険(=ハザード)にかこまれてくらしています。ここでは、「あなたの命を守るには」をテーマに、危険(=ハザード)ににむきあい、のりこえて生きていくためにはどうしたらよいかをかんがえていきます。
段階1「危険の種に気づく」段階2「正体を突き止める」段階3「災害に備える」段階4「被害を抑える」段階5「経験を生かす」
段階1「危険の種に気づく」:ハザードが生まれる仕組みとその種についてかんがえます。地球のダイナミクス、拡大する人間活動、進歩しつづけるテクノロジーがからみあった社会の中にハザードの種があります。多くの場合、その種に気がつかないままハザードにおそわれてしまいます。みずから種に気がつくことこそが被害をくいとめることにつながります。種はどこにひそんでいるでしょうか?
段階2「正体を突き止める」:たとえば異常気象の正体があきらかになりつつあります。変化する気候、大雨による被害、スーパー台風など。ハザードの正体を知ることが重要です。
段階3「災害に備える」:災害はくりかえし発生します。大地震がその典型です。行政に依存したりするのではなく、みずから判断して災害に備えなければなりません。
段階4「被害を抑える」:ハザードはかならず発生します。たとえば感染症があります。病原体をつきとめ、状況を把握
緊急事態宣言、学校閉鎖やイベントの自粛、薬の配布などによって被害の拡大をおさえなければなりません。ただしあらたな感染症の治療に有効な薬はそれほど多くありません。
段階5「経験を生かす」:よりつよい社会をつくるために、あきらかになった事実をただしく後世につたえます。失敗の経験は生かさなければなりません。すたとえば原発事故がその典型です。
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会場では、どのようにしてハザードが生まれ人々に被害をもたらすのか、その仕組みをおもしろいモデルにして実演しています。
命をまもるためには、まず、段階1の「種に気づく」が必要です。ハザードは一般論ではかたれません。それぞれのライフスタイルや地域などによってハザードはことなります。みずから種をさがし、主体的に判断していくとがすべての人にもとめられます。日本科学未来館の展示・解説は若干むずかしく感じるかもしれません。しかしここは、知識をあたえてもらうというのではなく、ガイダンスを参考にして、モデルを体験したりゲームに参加しながら、みずから主体的にかんがえ、行動につなげていくために利用する施設です。実際に行ってみるといろいろなことに結構たのしく気がつくことができます。またわからないことがあればガイドの人が丁寧におしえてくれます。
▼ 注
日本科学未来館
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日本科学未来館