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日本科学未来館(平行法で立体視ができます)

日本科学未来館では、理想の未来を想像してから、今どうするかをかんがえる「未来逆算思考」をすることができます。

東京・お台場にある日本科学未来館(注)の展示が全面的にリニューアルされました。そのなかでひときわ興味をひいたのが、同館3階にある「未来をつくる」ゾーンに設置された「未来逆算思考」のコーナーです。理想の未来から逆算し、50年後の人たちにどんな地球をおくることができるのかをゲーム形式で体験します。「理想の未来をえがいて、そこから現在へとさかのぼり、今すべきことをかんがえる」という思考法がテーマになっていて、かんがえるプレイヤーとしてゲームにみずから参加できる仕組みです。


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未来逆算思考のコーナー(平行法で立体視ができます)


「地球温暖化がストップした地球」「エネルギーが豊かな暮らしができる地球」「誰もが健康でいられる地球」など、自分が理想だとおもう8つの地球の未来から一つをえらび、ながさ10m以上にもおよぶ大きなゲーム盤にすすみます。盤面には、これからの地球がたどるであろう50年の時の流れのイメージが、プロジェクションマッピングによってうつしだされています。そこには「欲望」「無知」という2つの「障害」と、「文化」「科学」という2つの「進歩」がまちうけています。


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ゲーム盤(平行法で立体視ができます)


スタート地点にあるタッチパネルを操作して最初にえらんだ地球の未来象を選択し、うつしだされるゲーム盤に、これからの地球がたどるべきルートを予想してえがいていきます。さてゲームの結果はどうなるでしょうか?




未来を思考する方法は2つあります。ひとつは、現在の延長線上に未来をえがく方法であり、これは「積み上げ思考」といいます。もうひとつは、理想の未来をまずおもいえがき、そこから現在にさかのぼる思考法であり「未来逆算思考」といいます。未来をかんがえるためにはこれら2つの方法をうまくつかいわけることが大切です。

「積み上げ思考」では現状を把握して問題をひとつひとつ解決し困難を克服していきます。一方の「未来逆算思考」では理想の未来像をまず想像、つまりビジョンをえがきます。そして今、何をすればよいのか、どうすればよいのかをかんがえます。

日本科学未来館ではわたしたちの社会や地球の未来について予想しますが、この方法は個人の生活や人生でもつかえます。自分自身の人生において「未来逆算思考」をやってみることもできます。「未来逆算思考」の重要性について気がつくことは重要でしょう。


 

日本科学未来館は2001年にオープンしました。この施設は、科学を通して未来社会を想像するためにとても役立ちます。開館15周年をむかえた今年、同館内の常設展示の全面的なリニューアルがおこなわれ、2016年4月20日より一般公開がはじまりました。今回のリニューアルでは、館内6か所にあらたな展示が登場し、さらにドームシアターでの上映プログラムもあたらしくなりました。

日本科学未来館は、知識をえたり体験することにとどまらず、来館者に思考や議論や行動をうながすことで、社会や地球をめぐるさまざまな問題の解決に貢献したいとしています。来館者はただ見るだけでなく、みずからかんがえて主体的に未来をつくる行動をおこしていくという仕組みです。これは、従来の博物館などにはなかった斬新な視点・方法であり、日本未来科学館はたいへんおもしろい注目すべき施設になっています。


▼ 注
日本科学未来館 



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