睡眠は問題を解決することに役立ちます。問題が生じたら寝るのが一番です。

ペネロペ=ルイス著『眠っているとき、脳では凄いことが起きている』(インターシフト)の第8章では「ひと晩 寝ると問題が解けるわけ」について解説しています。


何かを理解できないとき、難しい決定を迫られたとき、または気が動転したときには、ひと晩 寝て考えればたいていの困難は消えてなくなるというのが、古くから語り継がれた知恵だ。(中略)

私たちは眠っているあいだに自分が抱えている難問について意識的に考えているわけではないが、脳はそれらの問題に取り組んでいるという証拠はたくさん見つかっている。


睡眠中に記憶が向上することはもはやあきらかです 。睡眠によて記憶の固定がうながされ、重要な記憶は強化されてきわだってきます。他方で睡眠不足は学習の大きなさまたげになります。したがって意識の内面に情報をインプットしたらさっさと寝るのが一番です。このような「脳と記憶の仕組み」については本書の第3章と第6章で解説されています。
 
睡眠中の脳は制約から解放されるので一連の自由連想をうみだし、創造にとってこれが役立つだけでなく、洞察力と問題解決にも役立っているとかんがえられます。

具体的には、つぎのようなはたらきが睡眠中におこっています。

  • あたらしく獲得した記憶がふるい記憶にむすびつきます。
  • あたらしい情報がふるい情報に統合されます。
  • ゆるやかに関連している情報がまとまります。
  • さまざまな情報をむすびつけて全体像を見ているように感じさせます。
  • くりかえしの経験から共通のテーマをみちびきだす作業をささえます。
  • 出来事全体を説明する全般的な原則や規則性を要約します。
  • さまざまな情報にもとづいて未来を予測することをたすけます。


このように睡眠は、個々の記憶を強化することをはるかにこえた おどろくべきはたらきをしています。つまり高度な情報処理(プロセシング)が睡眠中にすすんでいるということです。さまざまな情報をむすびつけ統合して全体像をあきらかにし、それらをつらぬく原理や法則に情報を要約して気がつくというのは創造の本質といえるでしょう。


▼ 引用文献
ペネロペ=ルイス著(西田美緒子訳)『眠っているとき、脳では凄いことが起きている -眠りと夢と記憶の秘密-』インターシフト、2015年12月10日
眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密 

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