睡眠をとることによって、人間がおこなう情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)におけるプロセシングをすすめることができます。

三橋美穂著『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100 』(かんき出版)は、睡眠は生きることの根幹であるという立場から、人生を変える質のよい睡眠をとるための具体的なメソッドを紹介しています。

目 次
第1章 「起きられない」「いつも眠い」をなくすコツ
 朝起きられないとき
 起きてからボーっとするとき
 日中眠くなったとき
第2章 「寝つけない」「眠りが浅い」をなくすコツ
 夜眠気がやってこないとき
 ストレスで眠れないとき
 体の緊張をほぐしたいとき
 リラックスして眠りたいとき
 不規則な生活で眠るとき
 体に不調があるとき
第3章 気持ちよく眠れる環境を作るコツ
 着るものを替えて快眠する
 寝具を替えて快眠する
 寝具のメンテナンス
 快眠できる寝室を作る
 夏の睡眠
 冬の睡眠
第4章 毎日の習慣で眠りが変わる
 ベストな睡眠リズムを知る
 快眠のための運動
 快眠のための食事
 快眠のための入浴
 快眠のためのアロマ
第5章 眠りが変わると人生がうまくいく
 眠りを仕事に生かす
 睡眠で人生を変える


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人間がおこなう情報処理の観点から重要なのは最終章「眠りが変わると人生がうまくいく」です。睡眠によりつぎのことがおこります。

  • 睡眠中に無意識に情報整理がすすむ。
  • 睡眠中に記憶が強化される。
  • 暗記も演奏も、まなんだ直後にしっかり睡眠をとると飛躍的に成績が向上する。
  • 睡眠中は、顕在意識のフィルターがはずれるため、おもってもみないアイデアがうかんでくることがある。
  • 睡眠中にひらめきが得られることがる。
  • 睡眠を十分にとれば目標達成にちかづく。


具体的にはつぎのようなことを実践するとよいです。

  • 学習したらすぐに寝る。寝るまえに余分な情報を脳に入れないようにする。
  • 枕元にメモ帳を用意しておき、起きたらすぐにアイデアを書きとめる。
  • 壁にぶちあたったら、眠りに身をまかせる(問題が生じたらとにかく寝る)。
  • 明日のためにねむる。
  • あなたのねむっている力を睡眠によって最大限にひきだす。




情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点からとらえなおすと、睡眠をとることはプロセシングをすすめることになり、睡眠はプロセシングの実践方法であるといえます(図1)。このことは、生命科学的に近年 明確になってきた重要な知見です。

160415 睡眠
図1 睡眠はプロセンシングの方法である


したがってプロセスングをすすめようとおもったら、インプット(見たり読んだり聞いたり)とアウトプットとのあいだに睡眠をはさめばよいわけです。つまりインプットがおわってすぐにはアウトプットはしないようにします。たとえば文章を書いてアウトプットするのであれば、一旦ねて、起きてから書きはじめるようにします。インプットをしてすぐには書きだしません。書くとしても、わすれないためのメモをとる程度にとどめます。

これは今日からでもすぐに実践できる大変おもしろい方法です。

それではよい睡眠をとるためには具体的にどうすればよいか。本書の100のメソッドのなかから自分にあった方法を実践してみればよいでしょう。本書のメソッドを実践して快眠を手にいれて、学習効果をあげ、アイデアを得、問題を解決し、目標達成にちかづき、人生を変えてください。


▼ 引用文献
三橋美穂著『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100 』かんき出版、2015年6月8日
驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100

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