福島第一原発事故は悲惨な災害を生みだしました。原子力災害から身をまもるために、原子力エネルギーについてただしく理解し、そして原発廃止・新エネルギーへの転換を目指してすすんでいかなければなりません。

2016年3月11日から3月24日までに本ブログで記述した原子力災害に関する記事の要点をまとめ、またリンクをはりました。原子力災害から身をまもるための参考にしてください。

大津波は日本列島をくりかえしおそってきます。大津波の歴史記録から教訓をまなび、未来の防災にいかしていかなければなりません。海岸に立地している原子力発電所では特に注意が必要です。沿岸地域で避難場所を見直すにあたっては、津波堆積物の調査と歴史記録とを照合して過去の巨大津波がどこまで遡上してきたかを知り、そこよりも高い所に避難場所を設置する必要があります。

原発事故によって放出された放射性物質による健康被害では外部被曝とともに内部被曝についても注意しなければなりません。そして原発事故と放射能被害について理解するためには、さまざまな事象を定量的にとらえる努力が必要です。

一方で原発問題をかんがえるとき、被災をした福島の人々の声(メッセージ)をきくことがとても重要です。被曝の恐ろしさとともに、コミュニティの崩壊と人の心の危機についても知らなけれなりません。原発事故について理解しようととするとき、その政治的側面や科学技術的側面をみているだけでは不十分です。

日本科学未来館が主催した原発事故関連のイベントに参加して福島第一原発事故を正確にふりかえることができました。放射線をあびると DNA が切断され癌が発症しやすくなります。福島県では甲状腺癌の患者が増えているという報告があります。

国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、一般の人の年間積算線量の指標として、平常時は年間1ミリシーベルト以下としています。

また国際放射線防護委員会(ICRP)は年間積算線量の指標として次もしめしています。
  • 原子力事故などの緊急時:20~100ミリシーベルト
  • 事故後の復旧期:1~20ミリシーベルト

これからの日本の電力をかんがえる場合、原子力発電に反対しているだけでは未来はひらけず、再生可能エネルギーの割合を増やす努力を具体的にしていかなければなりません。



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日本科学未来館(交差法で立体視ができます)



▼ 記事リンク
大津波の記録から教訓をまなぶ - 伊藤和明著『日本の津波災害』-
津波堆積物の調査と歴史記録とを照合する - 日本科学未来館「5年前、そして5年間に起きたこと」-
原子力災害から身をまもる -『原子力災害からいのちを守る科学』-
定量的にとらえる - 山口幸夫著『ハンドブック 原発事故と放射能』-
原発事故による内部被曝について知る - 山口幸夫著『ハンドブック 原発事故と放射能』-
定量的にみて判断する - 日本科学未来館「5年前、そして5年間に起きたこと」-
福島の人々の声をきく(1) - たくきよしみつ著『3・11後を生きるきみたちへ』-
福島の人々の声をきく(2) - たくきよしみつ著『3・11後を生きるきみたちへ』-
福島第一原発事故をふりかえる(1)- 日本科学未来館「5年前、そして5年間に起きたこと」-
福島第一原発事故をふりかえる(2)- 日本科学未来館「5年前、そして5年間に起きたこと」-
再生可能エネルギーの割合をふやす - 日本科学未来館「5年前、そして5年間に起きたこと」-