IMG_4174
3月12日〜31日における被曝量の推定(パネル展示より)
大気中に拡散した放射性物質のうちの主なものとして、ヨウ素131、セシウム137、セシウム134 からの被曝量を推定したもの。1日のうち屋外に7時間、それ以外の時間帯は木造家屋にいたと仮定。(データ提供:国立研究開発法人海洋研究開発機構)


放射線被害から身をまもるためには放射線を定量的に計測して判断しなければなりません。


日本科学未来館(注1)の「Lesson#3.11:5年前、そして5年間に起きたこと」(注2)では、さまざまな物質の放射線量を線量計をつかって実際に計測するワークショップもありました。市販の線量計をつかえば誰でも簡単に放射線量を計測することができます。

国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、一般の人の年間積算線量の指標として、平常時は年間1ミリシーベルト以下としています。

ただしこれは、一般の人が受ける放射線の量をなるべく低くおさえようとするための指標であり、健康に影響をおよぼすか否かをしめす基準ではありません。

またこの指標値には以下はふくみません。
  • 自然界から受けるといわれている年間 2.4 ミリシーベルト(世界平均)の放射線量(注3)。
  • 医療行為によって受ける放射線量(レントゲンやCTスキャンなどによる診断やがんの治療など医療現場で使われる放射線)。

年間1ミリシーベルトを1時間あたりに単純に換算すると毎時 0.114 マイクロシーベルトとなります。

また国際放射線防護委員会(ICRP)は年間積算線量の指標として次もしめしています
  • 原子力事故などの緊急時:20~100ミリシーベルト
  • 事故後の復旧期:1~20ミリシーベルト



放射線被害から身をまもるためにはこのような数値と単位につよくならなければなりません。そうでないとみずから主体的に判断をすることができません。定性的な説明をただ鵜呑みにすることはよくないことです。

したがって線量計をつかってみずから計測することは重要なことです。

放射能物質で汚染された地域は一様に汚染されているのではなく、ホットスポットとよばれる高い濃度で汚染された地点がところどころに存在します。放射性物質をふくんだ空気と雨とがぶつかったとき、雨粒は放射性物質をとりこんで地面に降りそそぐため原子炉からの距離とは関係なくいくつものホットスポットが生じてしまいました。 

ホットスポットを見つけるためにも現場での計測が必要です。

なお全国各地の放射線量については、原子力規制委員会・放射線モニタリング情報のサイトを見るとよいとワークショップでおそわりました。全国各地の定点計測値がわかります。

原子力規制委員会・放射線モニタリング情報 >>

被災地からはなれてくらしている場合は線量計を購入してまで計測しないかもしれません。そのような場合はこのサイトをみて確認するとよいでしょう。


▼ 注1
日本科学未来館 


▼ 注2
Lesson#3.11 パネル展示「5年前、そして5年間に起きたこと」

▼ 注3
自然界からうける放射線は大地からの放射線、宇宙からの放射線(宇宙線)、空気中からの放射線、摂取した食物からの放射線があります。