地図とイメージをつかって、特定の場所に情報をむすびつけると様々な情報が記憶・活用できるようになります。


今回は、代表的な絶滅危惧種を世界遺産を通して理解し記憶してみたいとおもいます。

世界的な自然保護NGOであり、野生生物に関する国際的な知見をたばねるIUCN(国際自然保護連合)は、絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」を作成しており、このリストには現在、約2万種の野生生物が掲載されています。絶滅危惧種について知ることは地球の現状を理解するために重要なことです。



1. ヴィルンガ国立公園 
- マウンテンゴリラやカバの貴重な生息地 -

 
  • ヴィルンガ国立公園 はコンゴ共和国最古の国立公園であり、マウンテンゴリラの保護を目的として1925年に設立されました。
  • 総面積 7900k㎡、エドワード湖と、ヴィルンガ火山群があります。
  • マウンテンゴリラや東ローランドゴリラなどの22種の霊長類にとっての貴重な生息域になっています。
  • 「ジョンバ・サンクチュアリ」はゴリラの聖域として公開されています。
  • エドワード湖畔には、およそ2万頭のカバが生息しています。
  • 隣国のルワンダ内戦で発生した大量の難民が流入し環境が悪化したことにくわえ、密猟があとをたたず生態系が危機に瀕しています。
  • 1994年に危機遺産に登録されました。



2. コモド国立公園

- 世界最大のトカゲが生息する島 -


  • インドネシア共和国の南東部、コモド島やフロレス島といった小スンダ島の島々からなります。
  • コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)の生息地です。
  • コモドオオトカゲは、皮を目的に乱獲されたことで生息数が激減し、危急種に指定されています。



3. 四川省のジャイアントパンダ保護区群
- 世界のジャイアントパンダの30%が生息 -


  • 中国四川省の7つの自然保護区と9つの風景保存区がジャイアントパンダ保護区群として自然遺産に登録されています。
  • ジャイアントパンダは、森林伐採や密漁で激減し、絶滅危惧種になっています。
  • 現在、約500頭(全頭数の約30%)が生息しています。
  • そのほかにも、レッサーパンダ、ユキヒョウ、ウンピョウなどの絶滅危惧種も生息しています。



4. ソコトラ諸島
- インド洋に浮かぶ固有種の宝庫 -


  • ソコトラ諸島は、インド洋の北西部、アラビア半島と「アフリカの角」の中間にうかぶ4つの島と二つの岩の小島からなります。
  • 大陸移動の際にゴンドワナ大陸から分離し隔絶されたために固有種の割合が高いです。
  • リュウケツジュ(竜血樹)は樹脂が赤いのが特徴で、薬品や染料として古来から重宝されてきました。
  • 近年は、島の乾燥化がすすみ、固有種の半数が絶滅の危機にあります。



5. リオ・プラタノ生物圏保護地域

- 約380種の鳥類が生息する熱帯雨林帯 -


  • ホンジュラスのプラタノ川流域に密林地帯にあります。
  • コンゴウインコベアードバクなどの絶滅危惧種のほか、約380種もの鳥類が生息しています。
  • 沿岸地帯には、マングローブやココヤシが繁茂しています。
  • 河口付近には、危急種になっているアメリカマナティが生息しています。
  • 危機遺産リストに掲載されています。



絶滅危惧種について理解するときには、世界遺産などを通して、地球上の具体的な場所に情報をむすびつけて理解し記憶するとよいです。これは情報を、特定の場所にむすびつけて「ファイル」するといった方法であり、「空間記憶法」の一種です。

たとえば「マウンテンゴリラ」といえば 、「コンゴ・ヴィルンガ国立公園」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「コンゴ・ヴィルンガ国立公園」の場所を見たら「マウンテンゴリラ」がすぐにイメージできるようにしておきます。

あるいは「コモドドラゴン」といえば、「インドネシア南東部」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「インドネシア南東部」の場所を見たら「コモドドラゴン」がすぐにイメージできるようにしておきます。

あるいは「ジャイアントパンダ」といえば、「中国四川省」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「中国四川省」の場所を見たら「ジャイアントパンダ」がすぐにイメージできるようにしておきます。

以下同様です。

いずれも地図(グーグルマップあるいは地球儀)とイメージをつかうのがポイントです。地図とイメージがおぼえられたら、それらに言葉をむすびつけて記憶量をふやしていけばよいでしょう。そうしないで言葉だけでおぼえようとしているとうまくいきません。このような「場所記憶」あるいは「空間記憶法」は受験勉強でもつかえます。


▼ 参考文献