速読する技術を解説した本です。速読ができるようになれば、「膨大な情報を、高速に取り組んで素早く理解し、的確に残して臨機応変に活用する」ことができるようになります。現代の高度情報化社会にあってはとくに重要な技術です。

速読は、従来の音読・黙読とはちがい、空間のなかで視覚で文章をとらえることによって可能になります。以下に本書の要点を書きだしてみます。

速読力で得た重要な情報を記憶し蓄積することは、知的情報処理の根幹を築き、記憶して想起すること自体が快感を生みだす。

従来の読書で使う場所「言語脳」は作業が遅く、加速が困難であり、記憶容量も少ない。

それに対して「視覚脳」は、加速が容易で、記憶容量も膨大で、知能全体の高まりを生み、さららに心身のさまざまな領域とつながって効果を生みだす。

あらゆる知的な情報処理には、「入力→処理→出力」という一連の働きがある。
 「入力」とは情報を入れること(=読むこと)。
 「処理」とは情報を内部で独自の仕方でとらえること(=理解すること)。
 「出力」とはとらえた結果に基づいて反応すること(=活用すること)である。

栗田式速読法は、その一連の知性の働きを、「分散入力→並列処理→統合出力」という新しい方式に進化させて、情報処理能力を加速するオリジナルな技術である。

速読では、大脳の中を情報が流れる情報の筋道を「空間的な経路」に変え、情報の流れを空間的に制御する。

読書の進化の4段階により、「音の読書」から「光の読書」へ進化を果たす。
 「かたつむり読書」
 「尺取り虫読書」
 「面の読書」
 「蝶の読書」
「蝶の読書」とは、頁の広がりを空間の出来事と見なして読む方式である。

速読をしたら、すぐに振り返って想起し、内容を書き出してみよう。このとき、書かれた内容が、どこに書いてあったかという位置(場所記憶)がともなうようにする。

中心視野だけをつかうのではなく、周辺視野を開発し、網膜の全域で対象をより精密に見る能力を高める(周辺視野の開発)。

対象のもつ大局的な情報と局所的な情報を同時に入力できる目をつくる。これは 大きな目と小さな目を同時に働かせることでもある(ホロニックな見方の開発)。

情報の階層性を理解し、ホロニックな目を獲得できると、人生観ががらりと変化する。

視覚の場を利用して、心の中を再構成していく。人間は視覚に関連するニューロン(神経細胞)が圧倒的に多い生物なので、見てわかるという能力は非常に強い。

以上のように、文章を音読・黙読するのではなく、文章を視覚的にとらえ、視覚に関連する領域を活性化させることが重要です。このことがわかると従来の音読・黙読をいくらはやくしても速読にはならないことがわかってきます。

このように視覚をきたえて、空間の中で対象をとらえ、心の中も空間化すれば、記憶力や想起力・想像力も強化され、並列的な情報処理ができるようになり、さまざまなアイデアも生まれやすくなるでしょう。


文献:栗田昌裕著『頭がよくなる速読術』中経出版、2010年10月23日
 
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