アポロ計画は人類史の "分水嶺" となり、わたしたち人間はこれをこえて ”地球人" になりました。宇宙にうかぶ地球を宇宙から見て、地球の一体性を認識することができました。


岡本典明(原稿・構成)『アポロ月面着陸 ダイジェスト写真集』(ブックブライト)(注1)は、米国 NASA が中心になってすすめたアポロ計画のダイジェスト写真集です。アポロ 11号、12号、14号、15号、16号、17号関連のとても鮮明な写真が掲載されています。
      
アポロ計画は、NASA が中心となってすすめた月探査計画であり、1969年7月20日にアポロ11号で人類最初の有人月面着陸ならびに探査に成功し、1972年のアポロ17号で終了しました。


アポロ11号は、1969年7月16日に、サターン V ロケットでうちあげられました。乗組員は次の3飛行士でした。
  • 船長:ニール=アームストロング
  • 司令船パイロット:マイケル=コリンズ
  • 月着陸船パイロット:エドウィン=オルドリン

7月20日午後4時17分(アメリカ東部夏時間)に、月着陸船「イーグル」が月の「静かの海」へ着陸しました。そして午後10時56分、アームストロング飛行士が人類ではじめて月面におりたちました。午後11時16分にはオルドリン飛行士もおりたちました。

2人は、およそ2時間半にわたって船外活動をおこないました。

3人の飛行士は、7月24日午後0時50分に地球へ帰還しました。飛行時間はのべ8日3時間18分でした。


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その後のアポロ計画では次の日にちに月面に着陸しました(注)。
  • 12号 1969年11月19日
  • 14号 1971年02月05日
  • 15号 1971年07月30日
  • 16号 1972年04月20日
  • 17号 1972年12月11日




本書には、アポロ計画で撮影された貴重な写真が何枚も掲載されています。それらのなかでわたしは、宇宙あるいは月からみた地球がうつっている写真にとくに注目しました。

宇宙から撮影した地球は、地球が、宇宙にうかぶ天体のひとつにすぎないことをわたしたち人間におしえてくれます。アポロ計画によって、わたしたち人間は、宇宙から(地球の外から)地球をながめるという体験をすることができました。歴史上はじめてすべての人々がこの体験を共有し、地球の一体性を理屈ではなくて直観的に理解しました

宇宙にうかんでいる小さな天体を見ると、人間をふくむ地球はひとつの運命共同体であることは誰の目にもあきらかであり、「宇宙船地球号」は現実のものとして意識されます。

アポロ計画以前は、人間は、村人か市民か国民か民族の一部でしかありませんでした。地球や人類といった概念をもっていた賢者や科学者はいましたが、彼らの概念は抽象的なものでしかありませんでした。

しかしアポロ計画以後、地球は、抽象的な概念ではなく具体的な存在になりました。地球は概念ではなく具体化されたのです。地球が具体的にイメージできるようになり、同時に人間は "地球人" になりました




このような地球の一体性を認識する意識改革がアポロ計画を通して人間におこったとかんがえてよいでしょう。これは歴史上もっとも大きな意識改革といってもよいかもしれません。アポロ計画は人類史の "分水嶺" となりました

地球の一体性を認識する意識改革がすすむと地域的な紛争などバカバカしくなってきます。宇宙から撮影した地球の写真は世界平和のために世界中に普及されるべきであり、意識改革はさらにすすめられなければなりません。わたしたち人間はこれからは "地球人" なのですから。


▼ 注1
岡本典明(原稿・構成)『アポロ月面着陸 ダイジェスト写真集』ブックブライト、2014年6月9日
アポロ月面着陸: ダイジェスト写真集

▼ 注2
アポロ13号は事故のため月目に着陸しなかった。

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