
ワインの色をたのしむ
国立科学博物館で開催されている「ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -」は、味覚・臭覚・視覚・色覚などが複合されてワインのゆたかな味わいが生みだされることをおしえてくれます。
「ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -」はワインをテーマにした国内初の大規模展覧会です。うつしい色と香りでわたしたちを魅了するワインは一体どのような過程をへてできあがっているのでしょうか。ひとしずくにかくされたストーリーを、多彩な資料と映像で科学的かつ歴史的にときあかしています。
■ ワインを味わう
赤ワインは、軽やかで飲みやすいタイプから重厚なタイプまであり、渋みもワインによってさまざまです。白ワインは、辛口から甘口まであり、すっきりしたタイプあるいはしっかりしたタイプ。ロゼは、辛口のものは色がきれいで食べ物にも幅広くあいます。
■ 色をたのしむ
ワインカラーというだけで何か高級な感じをかもしだします。ワインの魅力は味だけにとまりません。
ワインは、発酵・熟成の過程で色・香り・味が決まってきます。熟成がながければ高級になるというわけではなく、ワインによって適切な熟成期間があります。
ワインは、発酵・熟成の過程で色・香り・味が決まってきます。熟成がながければ高級になるというわけではなく、ワインによって適切な熟成期間があります。
赤ワインの場合、わかいワインでは青や紫色がつよく、熟成がすすんだワインは黄色み(レンガ色やオレンジ色)がつよくなります。白ワインでは、緑色がつよいほどわかく、黄色み(金色や琥珀色など)がつよいほど熟成がすすんできます。
■ 香りをたのしむ
香りも、花や柑橘やベリーなど、実に奥深い世界がひろがっています。
ワインの香りはたくさんの香気成分からできた複合的な香りです。ワインの香りの要素はアロマホイールに系統ごとにまとめられています。
■ 視覚効果
ワインボトルにもさまざまなものがあります。グラスにそそぐ際に澱(おり)をとめるという実用性もありますが、ボトルはビジュアル要素でもあります。下の写真は交差法ですべて立体視ができます。
さまざまなワインボトル
デカンタは、ワインを供出する際に使用するガラス製の容器です。ボトルからデカンタにワインをうつしいれることをデカンタージュ(デカンティング)とよびます。デカンタにはワインの香りを引き出したり、ワインの澱(おり)を分離するという効果もありますが、デザインや造形による視覚的演出もあります。

さまざまなデカンタ
グラスによっても味わいの感じ方がかなり大きく変わります。
さまざまなワイングラス
味覚・色覚・臭覚にくわえ、ボトルやデカンタやグラスの視覚効果も作用してワインのゆたかな味わいが生じます。
わたしたちは、味覚・臭覚・視覚・色覚など感覚器官をつかってさまざまな情報を日々とりいれています。それぞれの感覚を単独でつかうよりも、たくさんの感覚をつかって複合的に情報をインプットしたほうが味わいや印象がふかまり、また記憶にものこりやすくなります(下図)。


図 複合的にインンプットする
「ワイン展」は 2016年2月21日までです。
▼ ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -
▼ 会場
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