自分自身のアウトプットを見直せば、自分のプロセシングの状態をチェックし、自分の心の中をとらえなおすことができます。
自分で自分を見ることは非常にむずかしいことです。たとえばシェイクスピア劇のなかの「ファルスタッフ」も「ヴェローナの二紳士」も「オテロ」も自分で自分が見えていないのです(注)。
自分で自分を見ることは非常にむずかしいことです。たとえばシェイクスピア劇のなかの「ファルスタッフ」も「ヴェローナの二紳士」も「オテロ」も自分で自分が見えていないのです(注)。
わたしたち観衆は客席から客観的に見ているので「彼には自分が見えていない」ということがわかりますが、当のご本人は自分で自分を見ることはできません。
それでは自分で自分を見るにはどうすればよいでしょうか?
たとえば鏡をつかってみます。鏡をつかうと、自分の顔や姿のフィジカルな様子はうつしだされます。しかし自分の心の中までは見えません。あるいは「胸に手を当ててかんがえる」などという人もいいますが具体的には何がわかるのか、効果があがりません。
そこでどうすればよいか。
そこで自分自身がアウトプットしたものを見直すようにします(下図)。
図 自分がアウトプットしたものを見直して自分の心の状態を知る
人間は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をする存在であることは現代ではあきらかであり、アウトプットとは、自分の心(意識)の中でおこったプロセシングの結果を外界にあらわしたものです。自分がアウトプットしたもの、たとえば書き出したものはすべて、100%、自分自身の心の中から出てきたものです。あるいは自分の動作や行動もすべて、100%、自分の心の中から出力されたことにほかなりません。
つまり、自分自身がアウトプットしたものは自分自身のプロセシングの状態を反映しているのであり、アウトプットは心の中をはっきりとうつしだしているのです。それは自分の心であって他人の心では決してありません。
したがって自分自身がアウトプットしたものを見直せば、自分自身の心をとらえなおしてその状態を自覚することができます。インプットとプロセシングは適切におこなわれていたかどうか? 情報処理にエラーはなかったかどうか?・・・
動作や行動を見直すにはビデオを利用するのもよいです。自分の言動を撮影してみるのです。横綱の白鵬は、自分の取り組みをビデオで毎日みて確認しているそうです。また音楽家は自分の演奏を録音して、演奏を聴き直してたえずチェックをしています。
このように情報処理の仕組みを理解し、アウトプットを見直して自分の心の状態を知ることは、つまり自分で自分を見ることにつながります。とても重要なことです。
アウトプットは人をあらわします。アウトプットを見れば人がわかります。
▼ 注
「自分が見えていない」をキーワードにして - シェイクスピア -
アウトプットは人をあらわします。アウトプットを見れば人がわかります。
▼ 注
「自分が見えていない」をキーワードにして - シェイクスピア -