マイナス思考からプラス思考にきりかえて、若い人の芽をつみとらないようにすることが大事です。

山田太郎さん(仮名)はピアノとバイオリンを小さいときからならっていました。ピアノとバイオリンの両方をひいていましたが、ピアノが大好きだったので将来はピアニストになると決めていました。

しかしあるとき、「ピアノで食べていくのはむずかしいからバイオリンに専念した方がよい。バイオリンなら管弦楽団に就職する道があるから」と周囲の人にいわれピアノはやめさせられました。太郎さんは悲しくて悲しくて来る日も来る日も泣きつづけました。

そして太郎さんは大きくなって管弦楽団に就職しました。その管弦楽団は外国の一流の管弦楽団であり、太郎さんはそこの重要なポストについています。


しかし、わたしは想像します。音楽の才能がそんなにあるのなら、もしかしたらピアニストとして大成したのではないだろうか。そして大きな喜びと希望をあたえるすばらしい演奏をわたしたち聴衆にとどけてくれたのではないだろうか。

太郎さんのまわりの大人たちは何を根拠に「ピアノではダメだ、バイオリンの方がよい」と判断したのだろうか。実際には根拠などはなく、大人たちの単なるマイナス思考だったにちがいない。だいたいバイオリンと管弦楽団を低く見ている。マイナス思考の大人たちが日本には多いことにはいつもおどろかされます。

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以上からまずは、プラス思考にきりかところからはじめて、そして若い人の芽を大人がつみとらないようにすることが大事であるといえるでしょう。