今日、非常に多くの事象が連動しながらグローバリゼーションがすすみ、地球社会が形成されつつあります。
アンドリュー・ジョーンズ著『グローバリゼーション事典 地球社会を読み解く手引き』(明石書店)は、重要な機構・組織、概念・現象、思想家など217項目を網羅的にとりあげて、グローバリゼーションについて解説しています。キーワードだけでなくキーパーソンについても説明しているのが特色です。
本書は事典ということになっていますが、むしろ読み物として最後まで一気に全部よんだ方がグローバリゼーションについて理解がふかまります。
掲載項目(日本語)は以下の通りです。本書中では、五十音順ではなくABC順に掲載されています。
ア行
悪の枢軸
アジア太平洋経済協力
アッシュ・アミン
アマルティア・セン
アムネスティ・インターナショナル
アラン・シップマン
アラン・ラグマン
アル・ジャジーラ
アルジュン・アパデュライ
アルンダティ・ロイ
アレックス・カリニコス
アンソニー・ギデンズ
アンソニー・マッグルー
アントニオ・ネグリ
一国主義
イマニュエル・ウォーラスティン
移民
インターネット
インターポール
インテルサット
ヴァンダナ・シヴァ
ウィル・ハットン
ウェストファリア・モデル
ウォールデン・ベロー
ウルリッヒ・ベック
援助
欧州安全保障協力機構
欧州連合
大前研一
カ行
カール・マルクス
海外直接投資
開発/発展
環境
カンクン
北大西洋条約機構
9月11日
京都議定書
金融のグローバリゼーション
グリーンピース
クリストファー・ラッシュ
グレアム・トンプソン
グレンイーグルズ
グローカリゼーション
グローバリズム
グローバリゼーション
グローバリゼーションに関する国際フォーラム
グローバルガバナンス
グローバリゼーション理論
グローバルアパルトヘイト
グローバル企業
グローバルコミュニケーション
グローバルコモンズ
グローバルシステム
グローバルシティ
グローバル市民社会
グローバル社会民主主義
グローバル生産ネットワーク
グローバルテロリズム
グローバルな金融の統合
グローバルな商品連鎖
グローバルネットワーク
グローバルノース
グローバル文化
軍事のグローバリゼーション
軍備管理
経済協力開発機構
経済成長
経済のグローバリゼーション
ゲーテッドコミュニティ/塀で囲まれたコミュニティ
ケビン・ロビンス
国際刑事裁判所
国際決済銀行
国際債務
国際司法裁判所
国際自由労働組合連合
国際通貨基金
国際電気通信連合
国際法
国際貿易
国際連合
国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)
国際連合人権委員会
国際連合難民高等弁務官事務所
国際連盟
国際労働機関
国民国家
国連事務総長
コスモポリタン民主主義
コリン・ハンズ
サ行
サービスの貿易に関する一般協定
最恵国待遇
サスキア・サッセン
サパティスタ
サミール・アミン
サミュエル・ハンチントン
シアトル
CNN
ジェームス・ローズノウ
ジェフリー・ウィリアムソン
ジェリー・マンダー
時空間の距離化
ジグムント・バウマン
持続可能な開発
ジャスティン・ローゼンバーグ
ジャン・ショルテ
宗教
自由貿易
主権
主要国首脳会議
ジョージ・ソロス
ジョージ・モンビオ
ジョージ・リッツァ
ジョセフ・スティグリッツ
ジョン・アーリ
ジョン・キーン
ジョン・グレイ
ジョン・トムリンソン
地雷禁止
人権
新世界秩序
スーザン・ジョージ
政治のグローバリゼーション
生物多様性
世界銀行
世界システム分析
世界社会フォーラム
世界貿易機関
世界保健機関
戦争
組織のグローバリゼーション
タ行
第一次世界大戦
第三世界
大西洋自由貿易地域
第二次世界大戦
ダグラス・ケルナー
多国間主義
多国間投資協定
多国籍企業
脱国民化
脱領土化
ダニ・ロドリック
地球温暖化
地政学
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定
チャールズ・カーナガン
チャールズ・リードビーター
ディアスポラ共同体
帝国
帝国主義
デヴィッド・コーテン
デヴィッド・ハーヴェイ
デヴィッド・ヘルド
デヴィッド・モーレー
東南アジア諸国連合
ドーハ開発ラウンド
トービン税
トニー・ブレア
トム・ネアン
トランスナショナリズム
トランスナショナルな企業
トランスナショナルな資本家階級
ドリーン・マッシー
ナ行
ナオミ・クライン
難民
ネオコロニアリズム
ネオリベラリズム/新自由主義
農業
ノーム・チョムスキー
ハ行
バーバラ・エーレンライク
ハーマン・デイリー
ハロルド・ジェームス
反グローバリゼーション
反グローバリゼーション運動
ピーター・ディッケン
比較優位
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)/エイズ(AIDS: 後天性免疫不全症候群)
フィリップ・レッグレイン
フランシス・フクヤマ
ブレトンウッズ機関
文化帝国主義
文化のグローバリゼーション
分業
ポール・ハースト
北米自由貿易協定
保護貿易主義
ポップミュージック
ホロコースト
マ行
マーティン・オルブロウ
マーティン・コー
マーティン・ショウ
マイクロソフト
マクドナルド
マクドナルド化
マニュエル・カステル
マルコス副司令
ミレニアム・チャレンジ・アカウント
民主化
メアリー・カルドー
メルコスール(南米南部共同市場)
もう一つのグローバリゼーション
ヤ行
薬物取引
ユーロ
ラ行
ライブ8
リチャード・フォーク
冷戦
レスリ・スクレア
ローカリゼーション
ローマ・クラブ
ロジャー・スクルートン
ロバート・ウエント
ロバート・コックス
ロバート・コヘイン
ロビン・ブラックバーン
ワ行
ワールドシティ/世界都市
ワールドミュージック
ワシントン・コンセンサス
湾岸協力会議
グローバリゼーションについて理解するときには用語理解にとどまることなく個々の事象を具体的にみた方がよいでしょう。
用語(キーワード)は個々の事象をシンボル化した "ラベル" であり、事象こそが情報の本体であるというとらえ方が大切です(下図)。
図 事象は情報の本体、キーワードは情報をシンボル化したラベル
これらの個々の事象はそれぞれ独立しておこっているようでもありますが一方で連動していることに気づかされます。個々の現象が連動して有機的な「地球社会」(グローバル社会)(注)が形成されつつあるといえるでしょう。
個々の現象を「個」、グローバリゼーションを「全」とするならば、個が先にあって全が生じるのでもなく、全が先にあって個が生じるのでもありません。個と全は同時に機能して「地球社会」という大きなシステムが形成されつつあるのです。個即全、全即個といったとらえ方が本質的に重要でしょう。
グローバリゼーションがすすんでいるのはたしかにわかるがとらえどころがないといった感じもします。そのようなときには本書を読んで参考にしてみるとよいでしょう。
▼ 引用文献
アンドリュー・ジョーンズ 著(佐々木てる監訳)『グローバリゼーション事典 地球社会を読み解く手引き』明石書店、2012年11月10日
グローバリゼーション事典
グローバリゼーション事典
▼ 注
本書では「地球社会」と記載され一般的にもそういわれますが、グローバリゼーションを重視するならば「全球社会」とよんだ方が正解でしょう。現在のところ「全球社会」は、大きな問題と困難をはらみながら成長しています。
▼ 関連記事
グローバリゼーションをとらえる - アンドリュー・ジョーンズ著『グローバリゼーション事典』(1)-
グローバリゼーションの流れを知る -『グローバリゼーション事典』明石書店(2)-
グローバリゼーションをふまえて個々の仕事をおこなう - アンドリュー・ジョーンズ 著『グローバリゼーション事典』明石書店(3)-
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