本多勝一さんの「日本語の作文技術」をつかうとわかりやすい日本語そして達意の日本語を書くことができます。
情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の最終場面において書いてアウトプットするケースは非常に多いとおもいます。書くということはアウトプットのもっとも基本的な手段といってよいでしょう(注1)。


図 日本語を書いてアウトプットする
また自分が書いたもの(アウトプットしたもの)を折にふれて見直すことにより、自分自身のプロセシングの進行状況や心の状態をとらえなおすこともできます。アウトプットしたものはプロセシングの結果や心の内面を反映したものにほかなりません。
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作文の技術を身につけることは、日本人にとってまた日本語を勉強している外国人にとってさけてはとおれない課題になっています。
ここでいう作文はアウトプットの手段である以上、読み手にとってわかりやすい文章を書かなければなりません。そのために役立つのが本多勝一さんの「日本語の作文技術」(注2)です。わたしは約30年にわたってつかってきて大変つかい勝手がよいと感じています。
ここでいう作文はアウトプットの手段である以上、読み手にとってわかりやすい文章を書かなければなりません。そのために役立つのが本多勝一さんの「日本語の作文技術」(注2)です。わたしは約30年にわたってつかってきて大変つかい勝手がよいと感じています。
「日本語の作文技術」の基本的原則は「修飾の順序」と「読点のうちかた」です。
修飾の順序
- 長い修飾語ほど先に
- 句を先に
読点のうちかた
- 長い修飾語:長い修飾語が二つ以上あるときその境界にうつ
- 逆順:語順が原則の逆になったときにうつ
これらを習得するだけでもかなりわかりやすい日本語になります。1週間ぐらい集中して練習をすれば基本はすぐに習得できるのではないでしょうか。あとは実践をつみかさねればよいです。学生であれば、レポートや卒論で文章を書くときに「作文技術」をあわせて練習すればよいでしょう。
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「作文技術」をつかうにあたって、わたしたち一般の者が文法学や日本語学に深入りする必要はありません。徹底的につかってみてこれはつかえるとおもえばつかえばよいし、つかえないとおもえばつかわなければよいわけです。技術とはそういうものです。
たとえば車の運転技術をおぼえるときにも自動車工学に深入りする必要はまったくなく、自動車工学がわからなくても車の運転はできます。そしてトヨタがいいか日産がいいかホンダがいいか、つかってみて決めればよいし、つかえるとおもったらどんどんつかえばよいのです。
「日本語の作文技術」をつかって書いた人の文章を読んでみた経験からいっても、この技術をつかた人の日本語は大変わかりやすいです。わかりやすい文章は達意の文章になります。達意の文章が書けるようになることを目標にして「作文技術」を訓練していけばよいのではないでしょうか(注3)。
▼ 注1
情報処理は、アウトプットまでおこなってはじめて完結するのですから積極的にたくさん書くことが重要です。本を読んだりテレビを見たりしてもそのままにしておくと情報処理をしたことにはなりません。いそがしければ1ツイートをするだけでもよいのです。アウトプットまでおこなうことが大切です。
▼ 注2
本多勝一著『日本語の作文技術』(朝日文庫)1982年1月14日
▼ 注3
「日本語の作文技術」をつかって書いた人の文章はわかりやすいということは、いいかえるとそれをつかっていな人の文章はわかりにくいということです。わたしは仕事の関係でフェイスブックやツイッターやブログなどをよく見ますがわかりにくい文章が結構おおいです。わかりにくい文章は、読みなおしを何回もしなければならないのでストレスを読み手にあたえてしまい、アウトプットとしては不適切な結果となります。「日本語の作文技術」は一度 習得してしまえば一生つかえるのではやめに身につけてしまった方がよいでしょう。
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