文章を書くことによってさまざまな情報を統合してアウトプットすることができます。
わたしたちは、自分の心のなかに膨大な情報を日々インプットしています。インプットされた情報は心のなかでのプロセシングをへてアウトプットされることになります。文章を書くということは、インプットそしてプロセシングの結果をアウトプットすることにほかなりません。
そのとき、インプットされた情報のすべてをアウトプットすることなど不可能でありまたその必要もありません。新聞記者の本多勝一さんは「10 の取材をしたら1か2の記事を書く」とのべています(注)。つまりある課題のもとで 10 のインプットをしたら1か2のアウトプットをするというのがひとつの目安といってもよいでしょう。
したがってアウトプットするとは、多量で多様な情報を圧縮し統合することであるということになります。情報の統合こそアウトプットの本質であるとかんがえられます(下図)。そもそも言語には情報を統合していく作用があるといえるでしょう。
図 情報を統合してアウトプットする
たとえば日記を 10 行で書いたとします。それは、その日1日にインプットされたこと(その日1日の体験)を統合して 10 行にしてあらわしたということです。
このようにアウトプットをすることは情報を統合することであるという意識をつよくもって訓練をすすめていくとよいでしょう。
▼ 注
本多勝一著『日本語の作文技術』(朝日文庫)1982年1月14日
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