わたしたち人間は書くことによって情報処理能力を向上させることができます。

人間は、見たり聞いたり味わったりしながら自分の意識(心)の内面に大量の情報をつねにインプットしています。

インプットされた情報は自分の意識の内面においてプロセシング(処理)がすすみます。

そしてプロセシングの結果を書いたり話したりすることによってアウトプットします。

このアウトプットの場面で文章を実際に書いてみるとインプットとプロセシングの状態が点検でき、それらが不十分だったことを自覚することができます。(下図)。

151204 点検
図 アウトプットで書くことによってインプットとプロセシングを点検する


たとえばインプットした情報が少なかったり不正確だったことが書いてみるとよくわかり、見る力や聞く力などをもっときたえようということになります。

インプットにひきつづく場面では、自分の潜在意識にブレーキがかかっているとプロセシングがすすまず、何も書けないということがわかります。ウンウンとうなって無理に書こうとしても書けません。プロセシングがまだおわっていないのです。そのようなときは睡眠をとった方がよいです。

自分の好きな分野や興味のある課題にとりくんでいるかどうかということもプロセシングにはとても大きく作用します。好きな領域にいるとスイスイとプロセシングがすすむというわけです。この点は非常に大きな問題です。

また書くときには、意識のなかにある記憶から必要な情報をひっぱりださなければなりません。必要なときに必要なことをすみやかにおもいだせるようにするにはどうすればよいか。つまり想起力をつよめようということになります。

このように実際に文章を書いてみると、自分のおこなったインプットとプロセシングの状態が点検でき、結果として、インプットとプロセシングのそれぞれの能力を高めようということになってきます。たくさん文章を書くことはみずからの情報処理を向上させることにつながるのです。


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