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東京国立博物館・企画展示「伊能忠敬の日本図」


江戸時代の伊能忠敬は、ボトムアップの方法で日本地図をつくりましたが、現代は、トップダウンの方法で日本の全体像を見ることができます。

東京国立博物館の企画展示室で「伊能忠敬の日本図」が展示されています(注1)。

伊能忠敬(1745~1818)は、江戸時代、56歳から17年かけて日本全国を測量してあるき、実測による日本地図をはじめて完成させました。忠敬は正確に距離をはかるため、おなじ歩幅であるく訓練をつねにしていたといいます。その結果できあがった地図は、現在の衛星写真にも引けをとらないほど精緻なものです。

日本全国を測量する際に忠敬がもちいたのは、二点間の距離と方角を竿や縄とコンパスで精密にはかることをくりかえしてゆく「導線法」(どうせんほう)とよばれる方法でした。さらに、とおくに見える山頂や岬などを目標物の方角を道中で確認し、夜には北極星の高度など天体を観測して測量の誤差を修正しました。

実際に地図を見てみるとその正確さには本当におどろかされます。

伊能忠敬は、天文・地理・数学などの学問をこのんで、50歳で隠退すると江戸にでて幕府天文方の高橋至時(たかはしよしとき)に師事し、本格的に天文学や測量術をまなんだそうです。


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伊能忠敬に対して現代はどうかというと、人工衛星が観測したデータや航空機が撮影した空中写真をつかって地図をつくることができます。現代のわたしたちは、グーグルマップとグーグルアースをつかって日本の地図や衛星画像を簡単に見ることができます。まったく時代は変わりました。

伊能忠敬の方法は、現場のひとつひとつデータをつみあげていってようやく最後に全体像がわかるというボトムアップの方法でした。それに対して現代は、空からあるいは宇宙から見るというトップダウンの方法がつかえるようになったわけです。トップダウンをつかうと短時間で一気に全体をつかむことができます。

ボトムアップとトップダウン、方法が180度転換したことに気がつくことは重要なことです。日本列島あるいは地球の全体像をつかむためにはトップダウンの方法をもちいる時代に転換したということです。トップダウンは何かを大観するときにもっとも基本となる方法です。


東京国立博物館企画室の展示とともに、同東洋館地下1階のミュージアムシアターでビデオ作品が上映されています(注2)。展示とあわせてビデオを見ると「伊能忠敬の日本図」の理解が一層すすむでしょう。



▼ 注1:企画展「伊能忠敬の日本図」
2015年10月14日(水) ~ 2015年12月23日(水)
東京国立博物館・平成館 ・企画展示室

▼ 注2:ミュージアムシアター「伊能忠敬の日本図」
2015年10月14日(水) ~ 2015年12月23日(水)
東京国立博物館・東洋館地下1階 TNM&TOPPAN ミュージアムシアター



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