日本列島とその周辺域を俯瞰(大観)すると自分がくらしている地域をそのなかでとらえなおすことができます。

加藤茂・伊藤等 監修『海の底にも山がある! 日本列島、水をとったら?』(徳間書店)は、日本列島およびその周辺域のさまざまな視点からえがいた非常にすぐれた俯瞰図を多数掲載しています。本書にでている俯瞰図により日本列島とその周辺を簡単に一望することができます。

もくじ
第1章 海の中を探る
 地球のでこぼこはどうしてできる?
 長さ3850 km の深い溝
 (千島・カムチャッカ海溝〜日本海溝〜伊豆・小笠原海溝)
 巨大な海底山脈(伊豆・小笠原弧)
 深く平らな海底の盆地(北大西洋海盆)
 海溝に飲み込まれていく山(鹿島海山・襟裳海山)
 引きさかれた山脈
 (伊豆・小笠原弧/九州・パラオ海嶺/四国海盆)
 でこぼこだらけの高いがけ(南海トラフ)
 日本海は大昔は湖だった
 浅い海の細長いくぼみ(東シナ海)
 海水がこおる浅い海(オホーツク海)
 入り組んだ浅い海(瀬戸内海)
 浅くて入り口のせまい湾(東京湾)
 日本一深い湾(駿河湾・相模湾)
 たくさんの谷がきざまれた深い湾(富山湾)
 火山が爆発して広がった湾(鹿児島湾)

第2章 海のひみつ
 海の広さと深さ
 海には陸上の10倍以上の生き物がいる!?
 波と潮(目に見える海の動き)
 海の水は流れている
 海流と日本の気候
 日本に地震が多いのはなぜ?
 地震がおこす津波
 海を調べる技術
 海の水がふえないわけ(地球をめぐる水)

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本書をみると、日本列島周辺の海底地形から連続的に日本列島を俯瞰することができ、地球の変動帯に日本が位置していることがよくわかり、巨大地震や火山噴火からわたしたちは決してのがれることはできないことがよく理解できます。

またこのような俯瞰図をみると、自分の居住地域が変動帯のなかのどこに位置しているかを確認することができます。変動帯でおこる自然災害は巨大地震以外にも、火山噴火・津波・洪水・土砂災害などそれぞれの地域ごとにおこりやすいものがあります。つまり自然災害には地域性があります。地域性をつかむためにも俯瞰図(鳥瞰図)をまずは見ることがもとめられます。

日本とその周辺域を俯瞰し、自分がすんでいる地域をとらえなおし、そして防災・減災のための対策をたて準備をするとよいでしょう(下図)。


15112 俯瞰

図 俯瞰し、地域をとらえなおして対策をたて準備をすすめる


▼ 引用文献
加藤茂・伊藤等 監修『海の底にも山がある! 日本列島、水をとったら?』(ビジュアル地形案内1 海底地形)徳間書店、2015年2月28日
海の底にも山がある!: 日本列島、水をとったら? ビジュアル地形案内 海底地形 (日本列島、水をとったら?―ビジュアル地形案内)


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