プレートテクトニクスのモデルをつかうと地球の様々な自然現象を短時間で統一的に理解することができます。

木村学・大木勇人著『プレートテクトニクス入門』(講談社)は、地球科学の基本モデルであるプレートテクトニクスについて一般の人むけに解説した入門書です。地球科学が発展してきた歴史を順をおって説明しているので読み物としてもおもしろいです。
 

目 次
1章 大陸移動説の成り立ち
2章 海洋底拡大説からプレートテクトニクスへ
3章 地球をつくる岩石のひみつ
4章 海嶺と海洋プレートのしくみ
5章 なぜ動くのか? マントル対流とスラブ
6章 沈み込み帯で陸ができるしくみ
7章 衝突する島弧と大陸のしくみ
8章 プレートテクトニクスと地震


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最近は、巨大地震や火山噴火の仕組みがテレビや新聞などで解説されるときに「プレート」という用語がかならずでてきます。

地球の表層は、硬い岩石の板がジグソーパズルのピースのように分かれて覆っており、その一つ一つをプレートとよぶ。

「テクトニクス」とは一般には構造を意味し、地球科学では地質構造や地殻変動のことをあらわします。

プレートテクトニクスは、大陸の移動、海洋底の拡大、岩石の形成、海溝や陸や高い山ができる仕組み、巨大地震、火山噴火などの実にさまざまな自然現象を統一的に説明することを可能にします。

またプレートはなぜうごくのかという疑問に対しては「プレートとマントルが全体として対流する」からであるとかんがえられています。

地球は内部に熱源をもち、表面にプレートという冷却システムをもつ一種のエンジンのように見立てることができる。

地球の内部から表層までを全体的にダイナミックにとらえることが重要です。

プレートテクトニクスは方法論的にいうと基本仮説でありモデルです。モデルは多種多量な情報を統合し、複雑な現象の本質を体系的に理解することを可能にします

体系的・直観的に物事を理解したり、ある分野を高速で学習するためにモデルが役立ちます。地球科学にかぎらずどの分野でもよくできたモデルがあるとおもいます。何かをまなぼうとおもったらよくできたモデルをさがしだして活用するとよいです。


▼ 引用文献
木村学・大木勇人著『図解 プレートテクトニクス入門』(ブルーバックス)講談社、2013年9月20日
図解 プレートテクトニクス入門 なぜ動くのか? 原理から学ぶ地球のからくり (ブルーバックス)


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