『生命科学がわかる 100 のキーワード』(Newton別冊、注1)は、生命科学の 100 のキーワードについてイラストをつかってわかりやすく解説しています。

生命科学の分野に将来的にもしすすみたいとおもったら、これら 100 のキーワードとイラストをまずはおぼえてしまうのがよいでしょう。その分野の記憶量をふやすと「記憶の慣性の法則」(注2)がはたらいて、その分野の方向にむかって人生がおのずとひらけてきます。

今回は、「SRS記憶法」のなかの「埋込法」(Key Method, 注2)をつかってみます。具体的には、「数字イメージ」を本書の各イラストに埋め込んでいきます(配置していきます)。

「数字イメージ」を記憶する(その1) >>
「数字イメージ」を記憶する(その2) >>
数字イメージでは数字をイメージに変換してとらえます。たとえば「01=ワイン、02=鬼、03=王座・・・」のようにイメージ化しておぼえておきます。


生命科学のキーワードとイラストを「埋込法」でおぼえるにはたとえばつぎのようにイメージします。
 

01「DNA」
 二重らせんのところに「ワイン」を埋め込みます(配置します)。「ワイン」に、二重らせんがまきついているとイメージします。

02「核酸」
 塩基のイラストのところに「鬼」を埋め込みます。「鬼」が、塩基をつかんでいるとイメージします。

03「染色体」
 染色体のイラストのところに「王座」を埋め込みます。「王座」のうえに染色体がのっているとイメージします。

04「遺伝子」
 遺伝子のイラストのところに「ワシ」を埋め込みます。「ワシ」が、遺伝子をくわえているとイメージします。

05「ゲノム」
 アルファベットのところに「孫」を埋め込みます。「孫」が、アルファベットを書いているところをイメージします。

06 以降も工夫してイメージし、「数字イメージ」を 100 のイラストに埋め込んでいきます(配置していきます)。

このようにしておけば、「数字イメージ」がきっかけ(キー)になってイラスト全体をおもいだすことができます。「数字イメージ」を 01 から順番におもいおこすことにより、それにひっぱられて、それを埋め込んだイラスト(「数字イメージ」の周囲のイラスト)も想起できるという仕組みです。画像(イメージ)とキーワードをまずおぼえ、言語的な説明は、イメージにあとからつけくわえていけばよいでしょう


情報処理の観点からいうと記憶するとは情報を心のなかにファイルすることです。『生命科学がわかる 100 のキーワード』において 100 のキーワードを解説しているということは、100 のファイルがすでに用意されているということであり、これらのファイルを心のなかにインプットし保持していけばよく、それが記憶するということです。このときに、ファイルのアイコンとしてイメージが役立つわけです。

記憶法をすすめるひとつの理由は記憶量が多い分野にむかっておのずと人生が驀進していくというところにあります。記憶量が少ない分野にはすすめません。すくなくともその分野の職業にはつけません。本当に興味のある分野については記憶量を徹底的に増やす必要があります。記憶量をバカにすることはできません。

このことは、自分の進路に反対する人が自分のまわりにいるかどうかということにはまったく関係ありません。自分に反対する人がたとえいたとしても、やはり、自分の人生は記憶量の多い分野の方向にすすんでいきます。

親や教師に指示されたりして本来はのぞまない分野にすすんでそのままでいると、そのきらいな分野の記憶量が不本意ながら増えてしまい、いつまでたっても希望の方向にすすめません。

そのような場合には、本当にすきな分野の記憶量をすみやかに増やしていけばよいのです。誰かに言われたかどうかということではなくて自分の問題です。記憶量を増やすことぐらいは周囲には関係なく努力すれば誰にでもできることです。

このために、すきな分野の「100 のキーワード」が役立ちます。それぞれの分野においてよくできた教材が日本では結構発行されています。今回は「埋込法」(Key Method)をつかいましたがほかの方法でもかまいません。自分にあった方法をみつけだして、興味がある分野の記憶量を増やしていくのがよいでしょう。


▼ 注1:参考文献

田沼靖一(監修・執筆)『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊)、ニュートンプレス、2013年7月15日
生命科学がわかる100のキーワード―生命,病気,iPS細胞など,テーマ別でわかりやすい (ニュートンムック Newton別冊)


▼ 参考文献
栗田昌裕著『栗田博士の SRS 記憶法 ― 潜在能力をぐんぐんひきだす』ダイヤモンド社、1993年3月18日