自然科学の方法の基本は<1. 概観 → 2. 分析 → 3. 考察>であり、これは一般の問題解決のためにも参考になります。

今年もノーベル賞の季節になりました。医学・生理学賞と物理学賞で日本人の受賞があり、また自然科学への人々の関心がたかまり大変よろこばしいです。

自然科学(サイエンス)というとむずかしく感じる方もいるかもしれませんが、その方法をごく簡単にしめすとつぎのような3段階になります。


151008 概観分析考察


概観とは、課題をめぐる研究史、内外の研究状況、これまでに得られているデータなどを大局的に見わたすことであり、これによって未解決の課題をあきらかにし、今後の研究主題を決めることができます。論文でいえば表題と前書きに相当します。

分析とは、調査・観測・実験などであり、主題に具体的にとりくむために対象を決め、集中的にふかくほりさげていきます。目標をさだめて局所に切りこむといってもよいです。いわゆる分析的研究ということになります。

考察とは、分析によって得られたデータを総合することであり、仮説をたてたり、モデルを提示したり、原理や法則をあきらかにすることです。本質を追求するといってもよいです。本質を追求するもっとも基本的な方法は多量多様な情報を要約することです


以上の3段階はつぎのように表現してもよいです。


150505 大局局所本質


第1の段階はなるべく短時間でおこなうのがポイントです。第2の段階は時間と労力が通常はかかります。第3の段階では発想力がもとめられます。

このような3段階は問題解決一般のモデルとしても利用することができます。自然科学の方法というと一般の人にとっては無縁だとおもう人がいるかもしれませんがそうではありません。上記のようにそのエッセンスをとりだせば一般の問題解決のためにも役立ちます。〔1.大局 → 2.局所 → 3.本質〕とすすみ判断をして行動していけばよいのです。