紙の新聞を読むときには、まず、紙面のなかのフレームとそれらの空間配置をとらえて、それからそれぞれのフレームのなかの記事を読むようにします。
このようなフレームをまずとらえてから、それぞれのフレーム中の文字を見るようにしています。フレームのなかに文字がうめこまれていると見なします。
そうではなくて紙面にかなりちかづいてしまうと文字だけをおいかけることになり紙面の全体像は見えません。この場合は、全体像をつかむためには個々の部分をつみあげていかなければならなくなり時間と労力がかかります。また記憶にものこりにくくなり、したがって情報の活用もしにくくなってしまいます。
▼ 注
朝日新聞などは、ウェブサイトで紙面がみられる「紙面ビューワー」というサービスもおこなっています。
頭がよくなる速読術 (中経出版)
▼ 参考記事
ニュース情報の構造物として新聞紙をとらえる
写真1 新聞の紙面
最近は、ウェブサイトでニュースを見る人がふえたために紙の新聞はあまり読まれなくなりましたが、紙の新聞には、ウェブ・ニュースにはないとてもおもしろいつかい方があります(注)。
写真1は、2015年10月4日付の朝日新聞朝刊の1面です。
わたしは紙面を見るときに、いきなり文字を読みはじめるのではなく、まず、それぞれの記事のフレーム(枠組み)とそれらの空間配置を見るようにしています。写真2にはフレームを仮に記入してしめしてみました。
写真2 フレームとそれらの空間配置をとらえる(実際に線をひく必要はない)
このようなフレームをまずとらえてから、それぞれのフレーム中の文字を見るようにしています。フレームのなかに文字がうめこまれていると見なします。
フレームがとらえられていると、ここのところはざっと見るだけしようとか、ここはくわしく読もうなどという判断を空間的におこなうことができます。これをすべての紙面についておこないます。
するとそれぞれの記事(文字)はそれぞれのフレームの中に位置づけられることになり、紙面の大局的な構造のなかに各記事が空間配置されているということになります。空間的に記事をとらえられるので記憶にものこりやすくなります。
たとえるならば、フレームと空間配置つまり構造をつかむことは森を見ることであり、個々の記事を読むことは木を見ることです。森を見てから木をみて、また森を見ればよいのです。そして森と木とが同時に意識のなかに存在するようになればなおよいです。
このような訓練を毎日つづけていると、大きな展望のなかでそれぞれの記事を把握できるようになります。同時に速読法の訓練にもなります。
このような訓練を毎日つづけていると、大きな展望のなかでそれぞれの記事を把握できるようになります。同時に速読法の訓練にもなります。
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このようにするためには、紙面を見るときに紙面からやや(約1mぐらい)はなれて見ると紙面の大局と構造が瞬時につかみやすくなります。
そうではなくて紙面にかなりちかづいてしまうと文字だけをおいかけることになり紙面の全体像は見えません。この場合は、全体像をつかむためには個々の部分をつみあげていかなければならなくなり時間と労力がかかります。また記憶にものこりにくくなり、したがって情報の活用もしにくくなってしまいます。
▼ 注
朝日新聞などは、ウェブサイトで紙面がみられる「紙面ビューワー」というサービスもおこなっています。
▼ 参考文献
栗田昌裕著『頭がよくなる速読術』中経出版 [Kindle版] 、2014年4月10日
▼ 参考記事