ある地域を旅行したり調査したりするときに、その地域の Google Earth 画像を iPad でみながら現場をあるくと空間的な認識が非常にふかまります。

わたしは先日、ネパールのルンビニとティラウラコットを旅行しました。ルンビニは釈迦の生誕地です。ティラウラコットは、釈迦が出家するまですごした居城跡ではないかとかんがえられている候補地のひとつです。

現場(屋外)では Wi-Fi がつかえませんので、あらかじめ Wi-Fi 環境のもとで Google Earth を Mac で閲覧し、小縮尺から大縮尺までさまざまな画像を PDF にして iPad に保存してもっていきました。こうすることによってリアルタイムで画像を参照しながら現場をあるきまわることができました。

下記の画像はルンビニの画像の一例です。

Lumbini1

Lumbini2

Lumbini3

Lumbini4

iPad を片手に、さまざまな縮尺の画像をリアルタイムで見ながら現場をあるいていると遺跡や寺院などの空間配置が実によくわかり、空間認識がとてもすすみます。大局を見ようとおもったら Google Earth 画像を見ればよく、一方、こまかく見ようとおもったらいくらでも現場でこまかく見ることができます。おもしろいです。こうして、全体と部分、大局と局所が自分の内面に連続的にインプットされます。

釈迦が出家するまでにすごした居城はカピラヴァストゥとよばれ、その城跡ではないかとかんがえられている候補地が2ヵ所あり、ひとつは現在のネパールのティラウラコット、もうひとつはインドのピプラワです。どちらの仮説がただしいか、議論が展開されています。このような課題についても空間認識をふかめることによって結論がみちびきだされるのだとおもいます。