取材法は情報処理の方法のひとつであり、これは問題解決の第2段階目でつかうとよいです。
取材をしたことを、たとえばツイッターやフェイスブックやブログなどにアップロード(アウトプット)すれば情報処理としてはとりあえずは完結します。
しかし、それにとどまらず問題解決などのために取材法を積極的に活用していくとなおよいです。情報処理を無数に累積していくことが問題の解決につながります。
問題解決では、まず第1に課題に関する全体像をつかんで、そのつぎに(第2段階目で)局所に切りこんでいくのがよいです。全体あるいは大局を見ないで、いきなり局所に入りこむと迷路にはまりこむ結果となります。まず大局をつかみ、つぎに局所をおさえてこそ問題解決はすすむのであり、そうすることによって課題をめぐる本質にもせまることができます(図)(注1)。

図 問題解決の3段階モデル
このような問題解決のそれぞれの段階の内部で情報処理がくりかえされるのであり、この問題解決の3段階モデルからいうと取材法は第2段階目でとても役にたちます(注2)。
取材法では、多種多量の個別的データを並列的に処理することになります。そのためにはデータを取材したその時その場の空間をしっかり意識することがポイントになり、具体的には、その時その場の空間を記憶してボール(玉)のようにイメージできるようにするとその後の情報処理がすすみます。
このように取材法は、問題解決の構造のなかに位置づけて実践すると効果が一層あがるでしょう。
▼ 注1
全体を見て、部分を見ると、いままで以上に全体がよく見えてきます。
▼ 注2
最初の第1段階目では、大局をつかむわけですから大観法などが役にたちます。一方、第3段階目では、多種多量なデータを要約・統合することによって本質にせまるのであり、言語による確認と表現がなされます。「KJ法」は第3段階目で役立ちます。
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