取材の結果を本格的にアウトプットするためにはブログあるいはフェイスブックを利用するとよいです。これによりデータ(情報)の永年保存ができ、またメッセージを他人につたえたり、情報の共有ができるようになります(注1)。
ブログは「見出し」(タイトル)、「本文」、「日付」などから構成されます。
見出しは一般的には本文を書いてからつけます。日付は自動的にあるいは手動で設定できます。
■ 本文を書く
本文にどれだけの範囲のことをひとまとまりとしてもりこむか、この要領が大切です。通常は、これ以上細分するとわかりにくくなるという1つの主題のことがらを1単位にして記載します。1単位の記事にはかならず1つの主題がつきます。1単位は文章の長短ではありません。
ブログの本文(1記事)は文章でいうと段落あるいは節に相当します。たとえば「点メモ」から単文ができた場合、いくつか単文があつまって段落ができるという文章化の仕組みが参考になります(注2)。
本文は、20年後の自分が読もうが、誰が読もうが疑問の余地なくひとつの意味にしかとれないように書きます。情報が不確かな場合は「・・・らしい」「・・・かもしれない」などと確からしさの度合いも忠実にしるします。
取材をした場所についても記録しておきます(注3)。地名については、他人が見てもわかるように県名や郡名・市名なども記載します。とくに外国の場合は国名と共に県や郡や地区も書き、できればローマ字表記も付します(注4)。
情報源(データの出所)についても記載します。誰から聞いたのか、あるいは引用資料があれば明記しなければなりません。
このように、本文とあわせて日付・場所・情報源ものこしておくことが必要です。
なお本文の欄には写真や図をはりつけてもよいです。
■ 見出し(タイトル)をつける
見出し(タイトル)は本文を書いてからつけるのが一般的です。
見出しは本文の内容を要約・圧縮したものです。その見出しを見ただけで本文を読まなくてもその内容の察しが瞬時につくように内容を正確に圧縮しなければなりません。そのためには項目的な単語や熟語の単なる羅列よりも、みじかくとも文章的なものの方が中身そのものがわかりやすくなります。
1つの見出しに圧縮できない場合にはどうするか。その場合は内容が1単位になっていないわけですから、2つ以上の記事(本文)に分けなければなりません。1記事に対し1見出しになるように本文を細分する必要があります。
▼ 注1
データ(情報)の永年保存と活用のために、「データカード」あるいは「京大型カード」というものがかつてはつかわれていました。現代ではカードはつかいませんがその原理は今でも有効であり応用が可能です。1枚のカードがブログの1記事になるようにアウトプットをすすめればよいのです。
▼ 注2
「点メモ」をもとにして本文を書く場合は、1つの「点メモ」すなわち1個の「体験の玉」が1記事(本文)になる場合もありますし、いくつかの「点メモ」すなわちいくつかの「体験の玉」があつまって1記事になる場合もあります。そもそも「体験の玉」が情報のひとかたまり(1単位)であったのですから、「体験の玉」がいくつかあつまった場合はより高次元の1単位ができるということになります。この後者の場合は、情報の階層構造が形成されていく第一歩とかんがえてよいです。
▼ 注3
取材をした日とブログに記事をアップロードする日とは一般的にはことなります。取材をしたその日のうちにブログにアップするのは時間的に無理なことが多く、取材をした日から数日〜数週間後、場合によっては数ヵ月後にアップすることもあります。ブログに表示される日付はアップした日に通常はなりますので、実際に取材をした日はカレンダーなどに別途記録しておくようにします。
▼ 注2
「点メモ」をもとにして本文を書く場合は、1つの「点メモ」すなわち1個の「体験の玉」が1記事(本文)になる場合もありますし、いくつかの「点メモ」すなわちいくつかの「体験の玉」があつまって1記事になる場合もあります。そもそも「体験の玉」が情報のひとかたまり(1単位)であったのですから、「体験の玉」がいくつかあつまった場合はより高次元の1単位ができるということになります。この後者の場合は、情報の階層構造が形成されていく第一歩とかんがえてよいです。
▼ 注3
取材をした日とブログに記事をアップロードする日とは一般的にはことなります。取材をしたその日のうちにブログにアップするのは時間的に無理なことが多く、取材をした日から数日〜数週間後、場合によっては数ヵ月後にアップすることもあります。ブログに表示される日付はアップした日に通常はなりますので、実際に取材をした日はカレンダーなどに別途記録しておくようにします。
▼ 注4
データ(情報)を取得した場所をしっかりおぼえて、その空間をおもいだしてイメージできるようにしておくと情報処理のためにとても役立ちます。
▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる
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