取材で聞き取りをこなう場合には相手に自由にかたってもらうことが一番大切です。

聞き取り調査など、取材をするためには他人の協力が必要なケースが実に多いです。したがって取材をめぐる礼儀をこのうえなく大切にしなければなりません。

これを踏まえて、自由にかたってもらうために次のような手順をふむとよいです。

  • あいさつをし自己紹介をします。
  • どんな目的で訪問したのか来意をのべます。
  • 調査項目を図解化したものをあらかじめつくっておき、それをとりだして相手にみせ、何を知りたいのか説明します。視覚的方法をもちいるのがよいです。
  • あとは相手に自由にかったってもらいます。
  • くつろいだ雰囲気をつくります。
  • 調査項目から脱線したようにおもえる話を相手がしてもそのまま話の流れにまかせます。
  • 相手の話によく耳をかたむけ、適切に相槌をうちます。
  • 話しながら連想的に話題が発展するようにします。
  • 質問を時折するのもよいです。
  • 耳をかたむけつつ話の内容をメモします。
  • 話がおわったらお礼をいいます。
  • 「こういうお話しをきかせてもらえる適任の人がほかにもありましたら、ご紹介いただけませんか」とたずねて飛び石伝いに聞き取り調査を展開していくのもよいです。

話題を提供したうえで「自由にかたってください」という方法をとると人間はよろこんでこたえてくれます。自由にかたれるときにはかたりたいという衝動が相手にもちあがります。

情報提供者が自由にはなしたくなるような状況をもうけることが大切です。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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