現地のニーズ調査をおこなう場合は、定性的な通常の取材活動をおこなってから、そのあとで必要に応じて質問紙法(アンケート調査)を実施するようにします。

取材活動の分野には、現地の人々が何を必要としているか、現地のニーズをつかむための調査があります。ボランティア活動などをおこなう前にかならずしなければならない調査です。

このときにも現場にはいったらぶらつきをまずおこない、それから「探検の5原則」にしたがって取材を徐々にすすめていきます。

取材は、現場の人々と雑談をするようなところからはじめるのがよいのであって、無味乾燥な質問紙法をいきなりおこなうのはよくありません。

定性的な取材活動をおこなってその判断の上にたって、必要があれば質問紙法を実施して今度は定量的に処理するのが正攻法です。おもいつきの質問に対して「はい」「いいえ」「その他」などと回答枠を決めて現地の人々にこたえさせても本当のニーズをつかむことはできません。

ニーズ調査をすすめる場合にはとくに留意しなければならない重要な問題です。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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