『マンション・地震に備えた暮らし方』はマンションに特化した防災書です。マンションにはマンション独自の防災の方法があることを解説しています。
マンションの部屋のなかの安全性を高めるテクニックから、かぎられた収納スペースでもできる備蓄のコツ、地震がおこった瞬間の行動の仕方、そしてマンション全体として防災力を高める方法までをまとめたマンション居住者必読の地震防災マニュアルです。
目 次1 マンションの地震被害を知る。日本で地震が起きない場所はない都市部における被害想定 ほか2 地震に備える部屋づくり。費用ゼロで効果的な防災対策家具の配置を見直す ほか3 自宅滞留のための準備。被害想定から考えてみましょう命をつなぐ備蓄品 ほか4 もしも地震が起こったら・・・地震発生直後の行動キッチン ほか5 マンション全体で考える防災対策。停電によりエレベーターが全停止敷地内の液状化と、10日間の断水 ほか
第1章では、巨大地震がおこったとのさまざまな被害を想定しています。マンションは仮に倒壊しなかったとしてもさまざまな被害がでる可能性をもっています。たとえば、外壁の剥落、ドア・床・バルコニー・非常階段・受水槽・配管の破損などがあります。とくに配管が破損した場合、安全が確認されるまではトイレなどの配水はできません。
第2章では、マンションの部屋のなかの対策・備えについて部屋別・場所別にのべています。安全な空間づくりが何よりも大事です。
第3章では、地震がおこったときの自宅滞留のための準備についてのべています。通常のマンションは耐震性があるため、巨大地震がおこった場合でも避難所には避難せず自宅に滞留するケースが想定されます。そのための準備も必要です。
第4章では、大地震が発生した瞬間の行動の仕方について解説しています。あらかじめ思考実験をしておくとよいです。
第5章では、マンション全体でとりくむ地震対策・防災対策について提案しています。今すんでいるマンション全体の耐震診断はすでにおこなわれているでしょうか。まだの場合は専門家にすぐに依頼する必要があります。またマンションの非常用設備をあらためて確認するようにします。
本書には、耐震グッズ・防災グッズ・救急グッズについても写真つきで具体的に紹介されています。ソーラー式充電器はとくに有用です。
大地震はかならずやってきます。あらかじめ備えておくことが必要です。
▼ 引用文献
国崎信江・つなぐネットコミュニケーションズ著『マンション・地震に備えた暮らし方』 つなぐネットコミュニケーションズ発行、2013年3月20日
マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)
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