アップルの定額音楽配信サービス「Apple Music」がはじまってまだ2日目ですが、今までとは世界がちがってきました。これは、音楽とのあらたな出会いを提供する仕組みととらえることができます。
注目すべきは「For You」というあたらしいサービスです。これにより、知らなかった楽曲やアーティストを発見しやすくなりました。
わたしたちユーザーが検索して必要な情報をさがしだす仕組みももちろんありますが、For You は、各ユーザーの使用状況にもとづいてユーザーそれぞれに適した情報を Apple Music が提案します。そしてユーザーが Apple Music をつかえばつかうほど For You は充実していきます。
このあたらしいサービスは、不特定多数の人々に物を販売するという従来のビジネスとはあきらかにちがいます。
そしてユーザーは、For You にしろ検索にしろとにかくまず1回きいてみればよいのです。購入ではないのですからどの曲でも自由にきくことができます。その結果、どうってことなければもうきかなければよいし、気にいれば何回もきけばよいということになります。
今までは、iTunes でプレビュー(曲のごく一部)をまずきいてみて購入するかどうか判断し、そして本当に必要だとおもわれるものを購入するという手順でした。そこでは、買ったけれどもどうってことなかったという商品もいくらかありました。しかし、これからはそのようなことはなくなります。未知の領域に安心してはいっていけます。
こうして Apple Music はあたらしい音楽ポータルになるのだとかんがえられます。
さまざまな機能を集約・統合して見通しをよくし、直観的に誰もがつかえるようにしたアップルのトータル・デザインもみのがせません。
ユーザーそれぞれのニーズにこたえるこのようなサービスは、たとえば美術作品や電子書籍などについても将来的にはおこなわれるようになるのではないでしょうか(注)。
ユーザーにとっては情報収集の手段がふえるわけで、(自分の心のなかへの)情報のインプットがより効率的・効果的になるとかんがえられます。
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▼ 注
Amazon や楽天などでもこのようなサービスを一部でおこなっていますが、将来的にはもっと大規模におこなわれるようになるとおもわれます。