現場でえられた多種多様なデータを整理し文章化していくときに役立つ「KJ法」は、その過程で図解をつくるところに大きな特色があります。このことから、情報処理の第2場面のプロセシングではイメージをえがくことが重要であることがわかります。

KJ法では、情報収集のためにフィールドワーク(現地調査)をまずおこないます。現場にはいって周囲を観察したり、現地の人々から取材をしたりします。このような見たり聞いたりすることは人がおこなう情報処理の観点からはインプットに相当します。

そしてあつまったデータを図解にまとめていきます。図解とは空間的に物事をあらわすものであり、この過程はプロセシングに相当します。

この図解とは一種のイメージであり、図解をつかってデータを整理するということは、イメージをつかって情報を処理するということです。

したがって、たとえ図解をつくらなかったとしても、イメージをえがいてプロセシングをすすめればよいのです。イメージをえがくことはプロセシングの基本です。

文章を書くときには、図解やスケッチなどを実際にはえがかなくても心のなかにイメージをおもいうかべて、それを言語に変換していく作業をおこなうことになります。口頭発表をするときにも同様なことがいえます。

このように情報処理の第2場面のプロセシングではイメージをえがくことが基本であり、よくできたイメージがえがけると第3場面のアウトプットもスムーズにすすみます。 



▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)1967年
発想法 創造性開発のために (中公新書) 

川喜田二郎著『続・発想法』(中公新書)1970年
続・発想法 KJ法の展開と応用 (中公新書) 

川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論新社、1986年
KJ法―渾沌をして語らしめる