東京国立博物館特別展「出雲 -聖地の至宝-」(古事記1300年 出雲大社大遷宮)を見ました。

『古事記』のなかの重要な事件の一つとして「オオクニヌシの国譲り」があります。哲学者の梅原猛さんは、「大量の青銅器が地中に埋められていたのは、『国譲り』の代償に巨大な神殿を得てそこに祀られることになったオオクニヌシの魂を鎮めるためのもの」(注)という仮説をのべています。出雲の地をたずねてみて、神話がまさに事実であったことをまざまざと実感したそうです。

この鎮魂説により古代史がよく見えてきます。多様なデータに基づいて仮説を立てることが重要です。


参考文献:『特別展「出雲 -整地の至宝-」』(図録)東京国立博物館/島根県立古代出雲歴史博物館編集、2012年。