今回、これらの伝記と歴史書とをあわせて読んでみて理解が一層ふかまりました。歴史書だけを読んでいるとつかみどころがなくて何だかボヤーッとした感じがすることがありますが、あわせて伝記も読むことにより焦点がさだまり、より鮮明に時代が見えてきます。ピントがあうといった感じです。またその人が生きた時代の前後の時代もとらえられるので視野が大きくひろがります。
ある人の生涯は、その人が生きた時代の歴史的背景あるいはその時代の潮流と無縁では決してなく、むしろ、背景と共鳴したり時代の潮流のなかで生かされていたとかんがえた方がよさそうです。伝記と歴史書とをあわせて読んで全体像をつかみ、その人とその時代の本質をとらえることが大切だとおもいます。
▼ 引用文献
中村元著『ブッダ入門』春秋社、1991年9月10日
ブッダ入門
中村元著『古代インド』(講談社学術文庫)、講談社、2004年9月10日
古代インド (講談社学術文庫)
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