日本は、いよいよ放射能被害が拡散してきて大変なことになってきました。今こそ、機械文明・物質文明から“いのち”の文明への転換が必要です。そのためには、カタストロフィーを理解できる自然観の再生と、市民ネットワークの構築が必要でしょう。

さて、『ザ・シークレット』(注)の105ページには、「大切な事は時間ではなく宇宙に同調すること」「時間が幻想にすぎない」とあり、106ページには、「全ての事象は同時に起きている」「時間など存在しないのだ」とあります。これらの帰結として、時間的な流れにとらわれるのではなく、ただちに宇宙と同調することが重要であるとなります。

つまり、過去・現在・未来という時間の流れは、現代人が見かけ上そうおもいこんだ結果でしかなく、実は、未来とはビジョンのことであり、過去とは記憶のことであり、それらはまさに現在同時に存在するのです。したがって、心の中では、ビジョンをえがき、現在を生き、よくできた記憶をつくっていけばよいということになります。

ところで、そもそも古代人には空間の認識はありましたが、時間の認識なく、人類は、文明のはじまりととともに時間の認識を持ちはじめました。先日、NHKコズミックフロント「マヤ天文学」を見たところ、マヤ天文学は、マヤ文明のはじまりとともに時間を見事にとらえるようになって大変な進歩をし、当時としては、ヨーロッパをふくめ他のあらゆる地域よりもはるかにすすんだすぐれた天文学を構築しました。マヤ天文学に、文明のはじまりとともに時間認識がすすんだ証拠をみることができます。しかし一方で、文明がすすみすぎると、宇宙と心の本来のとらえかたや直観力がおとろえ、人類は、何でも論理的・分析的にとらえるようになってしまいました。

「引き寄せ」の法則は、現代においてもういちど文明以前の初心にかえり、宇宙と心をとらえなおすことの重要性をおしえてくれています。「引き寄せ」の法則をつかうということは、心を宇宙とを同調させる(共鳴させる)ということですが、宇宙と心とは本来一体のものであるという本源的な認識が重要です。これは高度かつ深遠な研究課題ですので、今後さらにデータをあつめていきます。


注: ロンダ=バーン著『ザ・シークレット』角川書店、2007.10.29。