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国立科学博物館「大アマゾン展」

東京・上野の国立科学博物館で開催されている特別展「大アマゾン展」を見ました(会期:2015.6.14まで、注1)。アマゾン川流域の多様性を見ることができました

アマゾン川流域の総面積は約700万k㎡ あるいはそれ以上といわれ、これは日本が約20個もはいるひろさであり、オーストラリアに匹敵する面積です。そのうち60%はブラジル領です。ここに成立している熱帯雨林は世界の熱帯雨林の約半分に相当します。

展示室はつぎの12室にわかれていました(図1)。化石や剥製、骨格標本、生体、映像資料など約400点で紹介していました。

第1室 翼竜・魚類・植物・昆虫の化石
第2室 哺乳類
第3室 鳥類
第4室 爬虫類・両生類
第5室 昆虫
第6室 森林のジオラマ
第7室 アマゾンカワイルカ
第8室 魚類
第9室 菌類
第10室 水草
第11室 先住民の装飾品
第12室 アマゾン体感! 4Kシアター


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図1 会場のフロアーマップ


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カピバラ


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インコ


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爬虫類


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魚類(ピラニアなど)



記憶法や情報処理の観点からは、特別展の会場全体を「多様性の家」、各展示室を家のなかの「部屋」と見なし、空間的構造的に展示をとらえることが重要です。「家」は「部屋」によって構成され、「部屋」は、「家」のなかのそれぞれの部分に位置づけられ、場所をあたえられています。


アマゾンの特色は何といってもその多様性です。アマゾンは多様性にみちあふれています。これだけ大きな多様性に短時間でコンパクトにふれられる機会はめったにありません。今回の特別展は多様性を知るための「入門コース」といってよいでしょう。

そして多様性は大観してこそ理解できます。大観とは分析とはことなる方法であり、局所にとらわれていると多様性は理解できません。全体を一気に一望することによって多様性は見えてきます。そして、それぞれの生物種が、多様な世界のなかで固有のすみかをもっていることを知り、生きるための場所をそれぞれにあたえられていることが認識できればなおよいとおもいます。

多様性を知ることは、地球環境問題に関する問題意識をふかめるためにも必要なことです。


▼ 注1
国立科学博物館・特別展「大アマゾン展」

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