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写真1 明治時代の3D写真(ステレオ写真/ステレオグラム)
(平行法で立体視ができます)

東京・上野の国立科学博物館で開催中のミニ企画展「はい、チーズ! 写真の歩み」(注1)では「明治時代からあった3D写真」の展示もありました(写真1、2)。

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写真2 明治時代の3D写真(ステレオ写真/ステレオグラム)
(平行法で立体視ができます)

3D写真(ステレオ写真)は、左右の2枚の写真をカメラで撮影し、2枚の写真を専用のビュアーで同時にみることにより、左右の目から見えるわずかなちがい(視差)を利用して立体的な像を再現するものです。下のようなレンズが2つあるカメラをつかっていたそうです(写真3)。

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写真3 ステレオ写真用カメラ


3D写真は、2D写真よりも情報量がはるかに多くなり、しかもおもしろいために当時から活用されていたようです。

当時は、立体視をするために専用ビュアーをつかっていたようですが、ビュアーをつかわなくても訓練をすれば誰でも立体視ができるようになります(注2)。立体視ができるようになると写真の世界が一気にひろがりますし、眼力を強化することにもなるので、是非トライしてみてください。

また被写体が静止していれば、ステレオ写真用カメラあるいはカメラ2台をつかわなくても、普通のカメラ1台で3D写真をとることができます。被写体を、自分の左目の位置から1枚とり、つぎに右目の位置から1枚とります。それらの写真を左右にならべて平行法をつかえば立体視ができます。3D写真は両目の視差を利用しているわけです。

このようなことをくりかえしていると、3D写真を撮影したり見たりする以前の問題として、わたしたちが自分の目で外界を普通に見て、立体的に(3Dとして)見えているというのはどういうことなのかについて問題意識がふかまってきます。


▼ 注1
アウトプットの手段として写真を意識する - ミニ企画展「はい、チーズ! 写真の歩み」-

▼ 注2
自然の写真を立体視して眼力を高める - 栗田昌裕著『眼力を高めるパワード・アイ』-
立体視訓練で眼力を高める -『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』-
立体視をして目をよくする 〜 栗田昌裕著『3D写真で目がどんどん良くなる本【動物編】』〜

▼ 参考文献
 

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