前著『日本語の作文技術』(朝日文庫)の続編として出版された本です。前著を読んだ人が作文技術の復習をしたり、応用や実践・実戦をするための参考になります。
「わかりやすい」ための作文技術の初歩的かつ中心的部分は「語順」と「句読点」にあり、これらの中でもさらに核心となるのは「読点」です。
■ 日本語の語順の基本原則は以下の通りです。1. 述部(動詞・形容詞・形容動詞)が最後にきます。2. 形容する詞句が先にきます。3. 長い修飾語ほど先に。4. 句を先に。■ テンの二大原則は以下の通りです。1. 長い修飾語の原則:長い修飾語が二つ以上あるときその境界にテンをうちます。2. 逆順の原則:語順が逆になったときにテンをうちます。■ 思想のテン:思想の最小単位をしめすときにテンをうちます。これらがつかいこなせるようになるだけで、ともかく一定レベル以上の文章になります。
応用編として参考になるのが事実の記述の仕方です。たとえば「ABCDEの五つの事実があったとすると、一番おもしろい事実(たとえばD)をくわしく具体的に書きます。のこったABCEの四つについては、Dを補強する形でつかいます」。全体で100の説明をするとしたら、その内容の80は一つのことだけを書き、のこりの20で四つのものを軽く書きます。
また書き出しの工夫として、「読者をひきつけるためには途中の説明はしないで、興味のある部分をいきなり書く、すぐに現場に入る」のがよいと述べています。
本多勝一さんの作文技術には、わかりやすい日本語を書くための正しい原則が単純明快にしめされているので、ほかの著者の関連著書よりも、まず第一に、この作文技術あるいは原則を徹底的に勉強し訓練するのがよいでしょう。
▼ 文献
本多勝一著『実戦・日本語の作文技術』朝日新聞社、1994年
実戦・日本語の作文技術 (朝日文庫)
▼ 文献
本多勝一著『実戦・日本語の作文技術』朝日新聞社、1994年
実戦・日本語の作文技術 (朝日文庫)
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