本書では、見るということについてつぎのように解説しています。
目は最も優れた感覚器官です。周囲から受け取っている情報の8割が目から入ってきます。目はまさに情報の正面玄関と言えます。
その目の働きを通常は「視力」としてとらえますが、目の働きの重要な点は、目を通して入った情報を脳で解釈して、知的情報処理能力(略して知能)を発揮することです。
見るということは情報をインプットすることであり、本書をつかって訓練をすれば、このインプットとそれにつづく情報処理の能力を高めることができます。
具体的には、「眼球レベル」での改善と「脳のレベル」での改善がなされます。
立体視では、① 目線を調節して、画像を脳にきちんと届ける段階【=眼球レベル】と ② 脳に届いた画像が立体的に解釈される段階【=脳のレベル】の二段階があります。
第一段階目はインプットの段階、第二段階目はプロセシングの段階ととらえるとわかりやすいでしょう(図1)。
図1 目で見て知的情報処理をする
(インプット→プロセシング→アウトプットは情報の流れ)
(インプット→プロセシング→アウトプットは情報の流れ)
立体視には、交差法(クロス法)と平行法(パラレル法)の2種類があります。本書の4-5ページでは、立体視のやり方についてとてもわかりやすく説明しています。
各図の上部に補助点がついていますので2つの補助点が3つに見えるように練習します。補助点が3つに見えたらその状態を保持するようにし、周辺視野をつかって図や絵の全体に意識をくばるようにします。立体視が成立するようになるまで根気よくつづけてみてください。
立体視は、できるようになるまでにはある程度の時間がかかる場合がありますが、一度できるようになると、あとはつぎつぎにできるようになり立体視の世界が大きくひろがっていきます。平面(2次元/2D)よりも立体視(3次元/3D)の方がはるかに情報量が多く、奥深い世界になっていることが体験できます。
▼ 文献
栗田昌裕監修『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』辰巳出版、2013年8月25日
視力回復トレーニング ミラクル・アイ (タツミムック)
▼ 関連記事
立体視をして目をよくする 〜 栗田昌裕著『3D写真で目がどんどん良くなる本【動物編】』〜