Mac OS X には、ミッションコントロールMission Control)という便利な機能があります。

これは、デスクトップを仮想的にいくつもならべ、それらを切りかえながら作業ができる機能であり、複数のデスクトップや、フルスクリーン化したアプリケーションのウィンドウを一元管理できるシステムです

ミッションコントロールをひらくと今の画面でひらいているアプリがバッとあらわれ、また、上部にはてすべてのデスクトップのサムネイルが表示されます。ひとつのウィンドウをドラッグしてほかのデスクトップに移動することも可能です。

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ミッションコントロールをひらくとすべてのデスクトップが一望できる

仮想デスクトップは、ディスプレイの右上にカーソルをもっていくとあらわれる「+」ボタンをクリックすると追加できます。


ミッションコントロールをひらくには、Dock のアイコンをクリックするかキーボードをおせばよいですが、スワイプの設定をしておくと便利です。「システム環境設定」>「トラックパッド」>「その他のジェスチャ」>「Mission Control」とすすみます。

150216 Mission Control 4本スワイプ
「 3本指あるいは4本指で上にスワイプ」に設定する


また、デフォルト設定のままだと、ひらかれたデスクトップの順番がつかっているあいだに入れかわってしまいます。デスクトップは固定しておいた方が作業がやりやすいです。

固定するためには、「システム環境設定」>「Mission Control」>「最新の使用状況に基づいて操作スペースを自動的に並び替える」のチェックをはずします。

150218 ミッションコントロール2
チェックをはずす

この設定にしておけば各デスクトップの配置が記憶され、デスクトップを切りかえるときに何枚めくればあのソフトというのが感覚的にわかるようになり、デスクトップ一覧画面をわざわざ表示させることが減ります。

たとえば、デスクトップ1には Calendar、デスクトップ2には iTunes、デスクトップ3には Safari、デスクトップ4には Chrome、デスクトップ5には iPhoto、デスクトップ6には Word、デスクトップ7には Excel、デスクトップ8には Keynote・・・というように。


ミッションコントロールは作業スペースをただ単にひろげるだけではありません。それ以上の意味があります。

複数のデスクトップを並列配置することにより、それぞれの作業ごとにデスクトップをわりあて、それらを切りかえながら複数のことなる作業を並列的におこなうことができます。並列というところがポイントです。

情報の処理(プロセシング)の基本原理は情報の並列処理にあります(図1)。

15021 並列処理
図1 プロセシングの原理は並列処理である
 

<インプット→プロセシング→アウトプット>は情報の流れです。たとえばコンピュータでも、複数のプロセッサ(処理装置)を並列させてデータを処理しています。これと似て、人がおこなう情報処理も並列処理をした方が効率・効果があがります。

並列とは直列ではないということであり、いくつもの作業あるいは仕事を同時並行的にすすめた方がよいということです。このようにしておけば、もし一つの作業がいきづまっても、そのあいだにほかの作業をすすめることができます。そうしているうちにあたらしいアイデアもでてきます。並列的にできることが何かないか常にかかんがえながら仕事をすすめます。

ミッションコントロールをつかえば目前の作業を視覚的に並列的にとらえることができます。複数のデスクトップのコントロールは並列処理のモデルになります。

ミッションコントロールあるいは複数のデスクトップをモデルにして、並列原理をつかった情報の並列処理をすすめていくのがよいでしょう。