東京・上野の国立科学博物館で開催されている特別展「ヒカリ展」を見ました(会期:2015年2月22日まで)。光をテーマに、「宇宙と光」「光の科学」「地球と光」「人と光」の展示・解説があり、とてもたのしめました。

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音声ガイドリストとフロアーマップ 


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宇宙と光


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天文 光マップ


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光とは何か?〈光マップ〉(光の科学) 


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アイザック=ニュートン著『光学:反射、屈折、光の伝播と色について』
ロンドン、1704年(初版)


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アンモライト


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光の生命史年表


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光るシルク


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あかりとしての光


これらのなかで中核となる展示は「光の科学」でした。とくに「光マップ」はとてもわかりやすく、これを理解したうえで、ほかの展示を見ると一層理解がすすみます。

光とは何か? その正体をさぐる歴史はふるく、古代ギリシアの時代から議論されてきました。

光は粒子なのか、それとも波なのか、その正体がわかったのはつい100年ほどまえです。20世紀前半に、光は波であり、かつ粒子であることが確立し、あたらしい物理学の世界観がきずかれました。

光とは、通常は、わたしたちの目に見える光つまり可視光をさしますが、ひろい意味では、可視光よりも波長が長い赤外線や電波、反対に波長が短い紫外線やX線やγ(ガンマ)線をふくむ電磁波を総称します

すなわち、わたしたちの目には電磁波のなかの一部が見えているということです。


わたしたちは、光を目でうけて、非常に多くの情報をとりいれています(図1)。

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図1 光をとおして情報がインプットされる


光をとおしてつまり視覚によりインプットされる情報量は、ほかの感覚器によってえられる情報量よりも圧倒的に多いため、光をつかった情報処理は情報処理のなかででもとくに大きな役割をはたしています。光は、空間を認識することを可能にし、またイメージをえがくための基礎にもなっています。

光について注目し理解をふかめることは、情報処理をすすめるうえでも重要なことです。このようなことも自覚できる特別展でした。


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