本多勝一著『日本語の作文技術』の「第六章 助詞の使い方」の「4 少し脱線するが・・・─ 接続助詞の『ガ』」では、接続助詞「ガ」の問題点と用法について解説しています。

格助詞から現代の接続助詞が派生してきたわけだけれども、しかし現代の接続助詞「ガ」は、決してケレドモやニモカカワラズといった逆接条件だけに使われているのではない。これが問題なのである。

この種の「が」を使われたとき困るのは、読者がここで思考の流れを一瞬乱されるからなのだ。「が」ときたら、それではつぎは逆接かな、と深層心理で思ったりするが、それはあとまで読まないとわからない。それだけ文章はわかりにくくなる。


つぎの例文でみてみましょう。

(前略)その間、経企庁もペテンにかけられたというのですが、こうした役人のいい加減な国民無視の行政態度の責任はきびしく追及されてしかるべきだと思いますが、大蔵省理財局長時代に、硬骨漢として知られた、あなたのご意見をうかがいたい。

「ペテンにかけられたというのです」と「しかるべきだと思います」の接続助詞「が」が文をわかりにくくしています。

これらは、「・・・ペテンにかけられたといわれています。」、「・・・しかるべきではないでしょうか。」などとして、文を切ればよいです。



■ まとめ
接続助詞「ガ」は、逆接をしめすとき以外は原則としてつかわない。


 
▼ 文献
本多勝一著『日本語の作文技術』(朝日文庫)1982年1月14日
日本語の作文技術 (朝日文庫)


助詞をつかいこなす(3) - マデとマデニ(本多勝一著『日本語の作文技術』)-

本多勝一著『日本語の作文技術』をつかいこなす - まとめ -