国立民族学博物館の展示は、文化的にひとまとまりのある地域を単位にしていて、とてもわかりやすい展示になっています。具体的には、つぎの地域の展示を順番に見ることができます。オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、中央・北アジア、東アジア(朝鮮半島、中国地域、アイヌ、日本)。それぞれの展示(地域)が情報のひとまとまり、つまりファイルになっています。
わたしは、これらの展示を見ることにより、世界一周の「圧縮体験」をすることができました。これはこれで思い出にのこる貴重な体験でした。
しかしその後、この体験をふりかえっていて、今度は、環太平洋地域が見えてきました。
わたしは、これらの展示を見ることにより、世界一周の「圧縮体験」をすることができました。これはこれで思い出にのこる貴重な体験でした。
しかしその後、この体験をふりかえっていて、今度は、環太平洋地域が見えてきました。
国立民族学博物館には、環太平洋地域という展示はありません。そこで、オセアニア、東南アジア、台湾、日本、アイヌ、アメリカの各展示のイメージを接続して、環太平洋地域のイメージをえがいてみました。
環太平洋地域は、自然環境の観点からは、大地震・火山噴火・津波・台風などがある大きな変動帯としての共通点があります。特に近年は大災害が増えています。一方、経済的政治的には、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が進行中であり、あらたな経済圏が形成されつつあります。環太平洋という、ひとまとまりのある あたらしい地域(単位)ができつつあるのです。環太平洋地域は、世界的に見ても目がはなせない地域になってきました。
オセアニア
台湾原住民族
沖縄の海のくらし
アイヌの家
アメリカの農作物
環太平洋地域は、自然環境の観点からは、大地震・火山噴火・津波・台風などがある大きな変動帯としての共通点があります。特に近年は大災害が増えています。一方、経済的政治的には、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が進行中であり、あらたな経済圏が形成されつつあります。環太平洋という、ひとまとまりのある あたらしい地域(単位)ができつつあるのです。環太平洋地域は、世界的に見ても目がはなせない地域になってきました。
既存の展示を見て理解し記憶するだけではなく、このように、いくつかの展示イメージをピックアップして、イメージ空間のなかでそれらを自由に接続し、あらたなイメージをえがいてみることはとてもたのしいことであり、イメージ訓練(心象法)としても意味があります。このような方法は博物館の発展的な利用法であり、一歩ふみこんだ博物館の「応用編」と言ってもよいでしょう。
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