『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』は、神道についても解説しています。

池上 そもそも神道における神様とは何ですか?
安蘇谷 まず祖先の霊です。それから自然ですね。太陽神とか風の神とか。あるいは海山川などのご神霊を祭っています。
池上 それで八百万の神といわれるくらい、たくさんの神様がいらっしゃるということになるわけですね。
安蘇谷 自然の現象が多岐にわたりますから。その意味ではキリスト教やイスラム教のような一神教の「神」とはまったく意味合いが異なります。(中略)
明治以降にユダヤ・キリスト教の「ゴッド」という観念が入ってきたために、混乱が生じた。

このように、神道でいう「」と一神教の「ゴッド」とはまったく意味がちがうことを知っておくことは重要なことでしょう。ここがおさえられていないと誤解が生じてしまいます。

また、つぎのようにものべています。

安蘇谷 八百万のようなあり方は日本だけでなく、世界中もともとそうだったんですね。たとえば古代ギリシアやローマあるいは北欧人なども、やはり自然に基づいた多神教を信じていた。
池上 ええ。まだ、インドシナ半島に行くと、あちこちに精霊のような神様が宿るという宗教がありますものね。アフリカにもあります。
安蘇谷 中近東にもあったんですよ。ところが、一神教の神様が出てきて、八百万の神が駆逐され、妖怪のようなものと一緒くたにされてしまったのです。

つまり、中近東〜ヨーロッパにも多神教はあったのに、一神教によって駆逐されてしまったというわけです。

この「多神教→一神教」という流れは、宗教の歴史的な見方です。
 
世界の宗教について理解するためには、第一に、世界地図上での分布を知ることが重要です。しかし、そのつぎには、ここにのべられているように、歴史的な理解も必要でしょう。空間的な分布にくわえて、時間の流れの中で物事の順序を理解するのです。

このように、第一に空間的に、第二に時間的に整理して世界の宗教をとらえるとわかりやすいとおもいます。
 

▼ 文献
池上彰著『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』(文春新書)文藝春秋、2011年7月20日


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