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写真1 国立民族学博物館の西アジア展示

国立民族学博物館の西アジア展示では、西アジアの信仰、砂漠のくらし、パレスチナ・ディアスポラ(離散)、日本人と中東、音文化とポップカルチャーの展示がありました。わたしは、西アジアあるいは中東には行ったことがないので勉強になりました。



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写真2 西アジア展示であつかっている地域(北アフリカがふくまれている) 

国立民族学博物館の西アジア展示には北アフリカがふくまれています。これは、イスラム教徒の分布を意識した地域割りです。写真2で、「マシュリク」とは日出でる地を意味し、「マグリブ」とは日没する地を意味するそうです。この地域が、文化的にまとまりのある一つの地域になっているために「マシュリク」と「マグリブ」ということになるのでしょう。
 


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写真3 「覆う」文化とイスラム教の展示

印象にのこったのは、「覆う」文化とイスラム教の展示でした。つぎのような説明がありました。

頭部を覆い隠す風習はイスラム以前からあった。コーランでは、女性はうつくしさを身内以外にはみせないようにとされたため、その習慣はムスリム女性のたしなみとなった。被り物の名称や形は地域によってさまざまで、覆う範囲や巻き方には個人差や流行もある。


また、イスラム教は、予言者ムハンマドの後継者選出をめぐる対立から、スンナ派シーア派に分裂したそうです。スンナ派に反対して、預言者のいとこで、娘婿でもあるアリーとその子孫のみを指導者とみとめた人々がシーア派です。

現在、イスラム教徒の大多数(85%)がスンナ派ですが、イラン・イラク・バーレーン・アゼルバイジャンなどはシーア派が多数を占めています。イランはシーア派を国教としています。


このように、西アジア〜北アフリカの地域は、ひとまとまりのある文化圏になっています。そして、この地域を理解するためにはイスラム教について知らなければなりません。

世界を認識するときには、文化的にひとまとまりのある地域を地図上でまずおさえ、その地域に、さまざまな情報をむすびつけて理解し記憶していくとよいです。そのときには、地形的あるいは物理的な境界にとらわれる必要はないのです。すると、その地域は、意味のある情報のひとまとまり、つまりファイルとしてとりあつかえるようになります。国立民族学博物館の「西アジア展示」はそのための参考になります。


注)イラク共和国の大統領だったサダム=フセインはスンナ派でした。


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