『地球の歩き方 A01 ヨーロッパ』は、最後のページまで一気に見てしまった方が大局がとらえられます。本書は、大局をとらえるためのトレーニング教材としても有用です。大局がとらえられると、各国情報はその大局のなかに配置されて理解されます。
もし、これを、長い時間をかけて、細部や局所を確認しながらゆっくり読んだとすると、それぞれの国についての詳細はわかるかもしれませんが、ヨーロッパの全体像をつかむのはむずかしくなります。全体像をつかもうとすると、ひととおり情報をえたのちに、頭の中でそれらをつみあげて全体をあらためて構築しなければなりません。
ゆっくり読むよりも、一気に見てしまい大局や構造をとらえて、そのうえで、行きたい国については、今度は、くわしく細部をしらべるという方法の方が効果的です。
これは、たとえてみるならば、ヨーロッパ全体を「家」とみなし、それぞれの国を「部屋」とかんがえて、まず「家」の全体構造をつかんでしまって、それから、どこかすきな「部屋」に入っていくという方法です。実際、ヨーロッパ世界はひとつの「家」のようなまとまりをもっています。
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このように、短時間で一気に見ると大局がつかめます。一方で、時間をかけてゆっくり読むと詳細がわかります。短時間で大局をつかむことは、大きな「家」(大きな空間)の全体をとらえることであるのに対し、長い時間をかけて細部(局所)をとらえることは、小さな「部屋」(小さな空間)をくわしく知るということです。
したがって、つぎの対応関係がうかびあがってきます。
短時間:大局
長時間:局所
『地球の歩き方』で大局を見てから、旅行にでかけて、どこかの国に入っていくということは、局所に入りこんでいくことであり、これには実際に時間がかかります。
旅行とはかぎらずにどのような行為でも、短時間で大局をとらえたら、つぎに、どの部分に時間をかけてじっくりとりくむかということが問題になります。その部分(局所)を選択するためにも、大局をつかんでおくことが役立ちます。
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ガイドブックを見たうえで、旅行をしながら実際に現地をあるいてみることは、それまでとはまったくちがったあらたな異質な理解をもたらすでしょう。ヨーロッパの大局的理解と現地での局所的理解という、ことなる情報処理の仕組みを併用することになるのです。
このような方法で、中国地域や東南アジア、インド、西アジアなどについてもとりくんでみたらおもしろいとおもっています。
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