下の写真は、杉原厚吉著『錯視図鑑』の67ページから引用したものです。大きな円と小さな点のならび方はどうでしょうか。

IMG_1443


大きな円も小さな点も、どちらもうねっているように見えないでしょうか。

実は、5つの点は、直線上にあります。これは、錯視の一種です。大きな円にひきずられて、点の位置をあやまって知覚したのであり、この錯視を「重力レンズ」というのだそうです。わたしは、「重力レンズ」を本書を見てはじめて知りました。おもしろいですね。

わたしたちは、知らず知らずのうちに、大きな情報にひっぱられて、個々の情報を位置づけてしまっているのかもしれません。

この錯視を修正するための方法としては、座標系をつかうことがかんがえられます。X軸、Y軸を設定し、それぞれの値を特定すれば、本当の配列をつかむことができます。これは、数学やサイエンスに通じていく話であり、空間を正確に把握するやり方です。

たとえば、情報処理のために地図を利用するということは、このような方法にあたります。

対象をパッと見るだけではなく、その空間配置を正確にとらえ確認することはとても大切なことです。


▼ 文献