下の写真は、杉原厚吉著『錯視図鑑』の29ページから引用したものです。上のバナナと下のバナナとで、どちらが大きいでしょうか。

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下の写真③の2本のバナナは、上の写真②の2本のバナナの上下を入れかえておいたものです。バナナの先っぽにある黒い筋に注目してください。

どちらの写真でも、下のバナナの方が大きく見えるのではないでしょうか。これは、 錯視の一種です。

わたしたちは普段は気がつきませんが、このような錯視あるいは錯覚を、意外にもしているのではないでしょうか。事実を、ありのままに観察することはむずかしい場合があります。

しかし、これを目視だけにたよらずに、それぞれのバナナの長さを計測したり、体積を計算したり、あるいは、重量をはかってみれば、このような錯覚を修正することができます。長さや体積や重量に関する情報を取得することは、より一歩ふみこんだ情報収集になります。これは、いわゆるサイエンス(科学)の方法に通じます。サイエンスには基本的に定量性を重視する姿勢があります。

目で見て観察したのちに、必要に応じて、定量的データを得るということはしばしば有用です。このことは、食料品などを買うときに役立つことは言うまでもありません。


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