北海道で、恐竜の全身骨格の発掘がおこなわれているそうです(「恐竜大発掘 出るか !? 日本初の完全骨格」NHKサイエンスZERO、2013.11.23)。
北海道で日本の恐竜研究の歴史を塗り替える大発掘が行われている。見つかった化石は植物を食べることに究極に進化した「ハドロサウルス科」。発見された状況からは、日本で初めてのほぼ完全な全身骨格の可能性が高いのだ。
北海道大学総合博物館准教授の小林快次さんによると、きっかけは、博物館で保管されていた部分化石だったそうです。
最初に発見されて、博物館で7年間も、恐竜とわからずに保管されていたんです。いままで恐竜じゃないなとおもっていたものが恐竜だったりすることもありますので、最初の1個って一番大変なんです。1個みつかると2番目、3番目とつづきますので。
この話で注目すべき点は、博物館に標本が保管されていたことです。
標本を永久保存することは博物館の重要な仕事のひとつです。標本は、すぐには役にたたなくても、いつかは役にたちます。標本を保管する博物館の役割について再認識しました。長期的な研究、あるいは研究を次世代につなぐために博物館は有用です。
このように、標本を集積している博物館には潜在能力がねむっています。標本や資料を集積すればするほどポテンシャルは高まります。ポテンシャルとは量で決まるものであって、すぐに役にたつかどうかとか、質が高いかどうかといったことは二の次です。たとえば、ダムのポテンシャルはダム湖の水量で決まるのであって、水質で決まるのではありません。博物館の第一の役割はポテンシャルを高めることであると言ってもよいでしょう。
もうひとつの注目点は、標本や資料の鑑定ができる眼力をもった人材が必要だということです。これは養成するしかないでしょう。
そして、博物館と研究者がそろったときに成果があがります。ポテンシャルと人材の両者が必要です。
*
これらのことを、個人の能力開発や問題解決にあてはめてかんがえるならば、第一に、テーマを決めたら、情報(正確にはファイル)をひたすら集積していくことが重要であり、これはポテンシャルを高めることにあたります。
このときは、1つ1つのファイルの質の高さよりも、量が優先されます。すぐに成果をあげようとするのではなく、とにかく、ファイルをたくさんつくり蓄積していくことです。ブログやフェイスブックなどをつかうと効率的です。同時に、テーマに関する記憶情報も強化するとよいでしょう。
このときは、1つ1つのファイルの質の高さよりも、量が優先されます。すぐに成果をあげようとするのではなく、とにかく、ファイルをたくさんつくり蓄積していくことです。ブログやフェイスブックなどをつかうと効率的です。同時に、テーマに関する記憶情報も強化するとよいでしょう。
第二に、対象を見る目、観察力、眼力を日頃からやしなうことがもとめられます。それぞれの専門分野で訓練方法や固有技術があるでしょうから、テーマを決めて専門的にとりくむのがよいでしょう。
このように、ポテンシャルを高め、眼力をきたえることは大事なことです。
▼ 関連記事
情報の本質はポテンシャルである 〜梅棹忠夫著『情報論ノート』〜