古代オリエント博物館で開催中の「アマゾン展 森に生きる 人々と暮らし」を見ました(会期:2014年11月24日まで)。今では貴重になった狩猟採集民の生活を垣間みることができました。
一方で、となりのスペースでは、古代オリエント博物館の常設展も見ることができました。オリエントで最初の文明(メソポタミア文明)が生まれた様子を理解することができました。
「アマゾン展」と「古代オリエント常設展」とを比較してみると、オリエントの砂漠地帯というきびしい自然環境のなかで最初の文明が生まれたのだということがよくわかりました。
つまり、アマゾンのようなゆたかな自然環境のなかで暮らしているのでしたら、狩猟採集で十分たべていけるのですが、砂漠地帯のようなきびしい自然環境のなかでは、作物を人工的にそだてる農業を開発して食料生産性を高めないと人々は生きていけなかったのです。
こうしてオリエントでは、農業生産性を高める努力をし、効率的・機能的に人々が暮らしていけるようにするために都市を発達させました。これが文明のはじまりです。
文明が発生する背景にはきびしい自然環境があり、そこには生きるための大きな切実性があったといえるでしょう。
今回たまたま、アマゾンの自然社会と、オリエントの文明のはじまりを比較しながら同時に見ることができたので認識がとてもふかまりました。説明はありませんでしたが、古代オリエント博物館はこのようなことを意識して今回の展覧会を企画したのかもしれません。比較するということは理解をすすめるためのひとつの重要な方法といえるでしょう。
▼ 参考文献
古代オリエント博物館編『古代オリエントの世界』山川出版社、2009年7月25日
古代オリエント博物館編『古代オリエントの世界』山川出版社、2009年7月25日
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