1.地勢タイプと行政タイプ
『LOVE地球儀』は、地球儀について知り、また、地球儀を購入する際のカタログとして参考になります。
地球儀には大きくわけて地勢タイプと行政タイプの2種類があります。
地勢タイプの地球儀は、山脈や海底の高低差をふくめ地形をわかりやすく表示しています。平野や森林地帯は緑系、高地や山脈などは茶系、海は青系などと、色のちがいや濃度によって地勢をあらわしているのが特徴です。
一方の行政タイプの地球儀は、各国を色分けし、国の位置や国境、国の大きさをわかりやすく表示した地球儀です。
地勢タイプの地球儀は、天体(惑星)として地球をとらえた理科系的な地球儀ですが、もう一つの行政タイプの地球儀は、人間の活動の場として地球をとらえた文科系的な見方の地球儀です。このように地球儀は「理科系地球儀」と「文科系地球儀」に二大別されます。
・地勢タイプの地球儀:理科系
・行政タイプの地球儀:文科系
2.理科系と文科系を統合する
わたしはもともと地球科学を専攻したので地勢タイプの地球儀(理科系地球儀)はすでにもっていますが、海外で環境問題にとりくむようになり、行政タイプの地球儀(文科系地球儀)も必要になってきました。
そこで、行政タイプの地球儀も買おうとおもって東京・銀座の伊東屋(K.ITOYA)に地球儀を見に行きました。6階に地球儀の専門フロアーがあり、たくさんの地球儀が展示・販売されていました。また、ウェブサイトでもいろいろさがしてみました。
たとえば、渡辺教具製作所の地球儀「ジェミニ」は、行政タイプの地球儀をベースにしていますが、人工衛星データに基づいた山岳の凹凸や海底の深浅、おもな海流なども表示され、行政と地勢の両方の情報がひとつの球体にもりこんであります。
また、リプルーグル・グローブス・ジャパンの地球儀「リビングストン型」は、ライトを点灯していない時は、森林・草原・砂漠・ツンドラなどの10種類の気候風土にそった地勢タイプの地球儀ですが、 ライトを点灯すると陸地が国別に色分けされた行政タイプの地球儀に変化するおもしろい地球儀です。
1台の地球儀に2種類のタイプの地球を統合しようとする努力が読みとれます。地球儀の世界でも理科系と文科系とを統合しようとこころみた人たちがいました。
3.情報場として地球をとらえなおす
このように、地球には、理科系と文科系という2つの側面があり、両者を統合することは人類の課題になっています。
今日、地球上にインターネットがはりめぐらされ、 地球の情報化がいちじるしくすすみ、 クラウドの運動もとらえられるようになってきました。つまり、地球全体が情報処理の場、情報場になりました。

図 地球は、人間が主体になった情報処理の場である
地球を情報場としてとらえることにより、理科系と文科系の2つの側面をより高次元で統合することが可能であるとかんがえられます。情報処理の場として地球をとらえる、さらに、情報処理の場の中で地球をとらえなおすことがこれからは重要です。
このような仮説をたてるならば、今後は、地勢と行政のうえにクラウドの運動も表示できるような「総合地球儀」の開発がもとめられます(注)。
4.地球儀を発想の出発点としてつかう
このように、地球儀を見て、地球儀を発想の出発点(起点)としてつかうことによりおもしろい仮説がでてきます。地球儀は、発想のための道具として役立ちます。
なお、発想のための地球儀としては、南北方向にも東西方向にも自由に回転できる全方向回転式の地球儀がおすすめです。地軸が固定されている常識的な地球儀(北半球がつねに上に位置する地球儀)では視点が固定されてしまいます。
日本列島を真上にしたり真下にしたりでき、視点を自由に変えられる地球儀であれば、固定観念にとらわれずにさまざまな観点から地球をとらえなおすことができます。
▼ 文献
▼ 関連ブログ
パソコンの時代がおわり、クラウドの時代になる 〜小池良次著『クラウドの未来』〜一度にたくさんインプットした方が理解がすすむ
▼ 注
日本科学未来館のジオコスモス(Geo-Cosmos)がこのような取り組みをおこなっており注目されます。意識(心)のなかに立体をインプットし、内面世界に立体空間を確立することが大切です。