情報処理の方法のひとつとして「編成法」という方法があり、これは、情報群の意味をよみとりながら文章を書くために役にたつ方法です。フィールドワークや実験でえられたデータをひとおとおり記載した後に書く考察のためにもつかえます。
一方、日記・旅行記・行動記録などのように時系列で文章を書きだすときには「編成法」はつかいません。この場合は、時間軸にそってファイルを連結していきます。ファイルとは情報のひとまとまりのことです。
「編成法」の前段階として「ラベル法」を実施します。
そして、「編成法」では、複数のラベルを縦横にならべて、それらを読むことからはじめます。「編成法」の手順はつぎのとおりです。
ここでラベルはファイルの上部構造になっています。ファイルの構造は下図のとおりで、これはファイルを横から見た図(断面図)です(図2)。

図2 ファイルを横から見た図(断面図)
ファイルを上から見た図(平面図)は図3のようになります。

図3 ファイルを上から見た図(平面図)
このようにファイルは球形にモデル化され、その一番上がラベルになっています。
ラベルは、直接みたり さわったりすることができ顕在していますが、その下の情報の本体は記憶として心のなかに存在しています。つまり、ラベルの下には情報の本体が常に潜在しています(図4)。

図4 ラベルは顕在し、情報の本体はその下に潜在している
「編成法」のプロセシングにおいて、似ている「ラベルをあつめる」ときにも、ラベルの下には情報の本体が常に潜在しています。「ラベルをあつめる」とは、実は、ファイルをあつめているのであり、似ているラベルのセット(グループ)をつくることは、ファイルのセット(グループ)をつくっていることになります。
そして「要約する」では、セットになった2〜3枚のラベルを統合・要約して、あたらしい高次元のラベルである「表札」(要約ラベル)をつくります。これは、小さなファイルを統合・編成して、大きなファイルをつくっていることになります。
2個のファイルを1個のファイルに統合した例。
「表札」とは「要約ラベル」のことである。
「表札」とは「要約ラベル」のことである。
こうして、複数のファイルを、類似性に着目して結合・統合してグループを編成していくのが「編成法」です。「編成法」は文章(とくに説明文)を書くためにつかえます。これは、時系列でファイルを連結していく方法よりも高度な方法になります。